アンネ・フランク関連図書の被害について、杉並区の詳細が判明しました。
杉並区周辺の自治体で、「アンネの日記」などアンネ・フランク関連図書の一部のページが引きちぎられるという被害が多発しています。杉並区立の13ヶ所の図書館のうち11館が被害にあうという状況です。本日、杉並区議会の文教委員会でその詳細について、確認することができましたのでご報告いたします。
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■杉並区では区立図書館13館のうち、11館で合計121冊の被害
被害が多かった図書館は南荻窪図書館で23冊、中央図書館と方南図書館でそれぞれ20冊と1つの図書館でもかなりの数にのぼっています。
各館での被害の詳細については以下のPDFにまとめました。
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区からの報告では、10~20ページを引きちぎり、修復できない状態にされていたという事でした。また、その対象は、開架書棚(貸出用の本棚)に配置されているアンネ・フランクの記述がある図書全般で、児童書や洋書も含まれているそうです。
2月3日午後に、隣接する練馬区からアンネ・フランク関連図書での被害の連絡があり、同日に中央図書館の「アンネの日記」について確認した時点では被害がなく、改めて2月6日に関連書籍について確認したところ、13館中11館での被害が出ているところ確認したとのこと。
その後、関連図書を開架書棚から移動させ、12日に正式に被害届を提出、21日に被害状況及び今後の方針がまとまったので公表。現在は移動させていた図書のうち閲覧可能な図書を開架書棚に戻している状況です。
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文教委員会で担当職員からは、図書が引き裂かれた被害を目の当たりにし、図書を守れなかった悔しさ、図書が引き裂かれた悲しさ、犯行に対する憤りを感じた、今後はこういった行いに屈せず自由に閲覧できる環境を守っていきたい、との発言がありました。
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公の図書館は誰もが入館でき、並べられた図書は自由に閲覧できます。これは行政側と利用者側との信頼関係によって成り立つものです。どのような主張や経緯が有ろうと、故意に図書を引き裂く行為は許されません。
また、第二次大戦のナチスのユダヤ人狩りを通して、戦争の酷さや人権の大切さなどを人々に知らせる大切な図書です。平和の願いを込めた図書を引き裂くこと自体、平和を願う多くの方々の思いを引き裂く行為だと思います。
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ちなみに、杉並区の井出教育長が「しんぶん赤旗」の被害報道に 「知の財産を共有する場所である図書館において、いかなる理由においても、図書を意図的に毀損することは許されない行為」 とコメントを寄せています。ご興味のある方は以下のリンクからどうぞ。。。