【議事録】富田たくの一般質問 2018年11月21日 杉並区議会第4回定例会 本会議
質疑内容 : ①施設再編整備計画における児童館廃止の問題点について
質問者 : 日本共産党杉並区議団 富田たく
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2018年11月21日に行われた杉並区議会・本会議で僕が行った一般質問の議事録をアップします。(議事録については時系列で管理を行うため、このエントリーの更新日は質問当日の日付にしております。更新日2019年2月15日)
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※この議事録は富田たくの質疑を抜粋したものです。当日の全議事録はコチラから。
※動画での視聴はコチラから。
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~議事録抜粋開始~
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杉並区議会 平成30年第4回定例会-11月21日-29号
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○議長(大熊昌巳議員)
日程第2、一般質問に入ります。34番富田たく議員。
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〔34番(富田たく議員)登壇〕
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◆34番(富田たく議員)
日本共産党・富田たくです。私は、日本共産党杉並区議団を代表いたしまして、施設再編整備計画における児童館廃止の問題点について質問をいたします。
私たち日本共産党杉並区議団は、再編整備計画第一次実施プランの素案が発表された当初から、計画の内容を区民にお伝えしつつ、その問題点を議会で指摘し、改善を求めてまいりました。その問題点のうち、今回は、児童館と学童クラブについて改めて取り上げていきたいと思います。
児童館は、ゼロ歳から18歳の子供たちと保護者の重要な居場所であるとともに、子育て支援の拠点として位置づけられ、子育て世帯と地域の町会・自治会、高齢者団体などから成る地域のコミュニティー形成の場でもあります。再編整備計画第一次実施プランでは児童館の全館廃止方針が出され、ことしまでの5年間で、和泉児童館を初め3館が廃止されました。このほど発表された第二次実施プラン案では、来年度からの3年間で9館の児童館の廃止方針が打ち出され、区内の子育て世帯や子供たちの健やかな成長を願う多くの区民から、不安の声が噴出しております。
再編整備計画で児童館廃止が打ち出されるまでは、2006年に発表された児童館等のあり方検討会報告書が児童館行政の指針となっていました。その中では、乳幼児親子の居場所の確保の必要性や、学童クラブ登録者数の増大により一般来館者が利用しにくくなっている点など、児童館、学童クラブの課題を分析し、その解決のための目指す方向性や具体的な取り組みとして、児童館と学校や地域のさまざまな取り組みとの連携の中で、放課後の居場所づくりを再構築すべき、発達段階の違う年齢層ごとの多様なニーズに応えられるよう、児童館ごとに特色ある運営を推進していくこと、1小学校区に1児童館がある利点を生かし、今後もさらにその機能を強化していくこと、地域子育てネットワーク事業は全ての地域で活発な取り組みがなされるよう努めるべきなどが挙げられており、その方向性が区の児童館行政に取り入れられてきました。
まず確認いたしますが、この報告書で示されている1小学校区に1児童館がある利点について、杉並区はこれまでどのように捉え、どのように生かしてきたのか、区の認識をお答えください。
また、報告書では、児童館の子育てネットワークの拠点としての機能を強化していくとありますが、この「拠点としての機能」とは具体的にどのような機能なのか、どのようにその機能を強化していく方針だったのか確認いたします。
地域子育てネットワーク事業については、施設再編整備計画では、今後子ども・子育てプラザで引き継いでいくとされております。41館の児童館が今まで子育てネットワークの拠点として各地域で機能してきたわけですから、それが14館の子ども・子育てプラザに減少してしまえば、区内の地域の子育てネットワークの拠点が減少してしまうことは明らかです。この点について区の認識を確認いたします。
報告書の示す方向は、児童館施設の利点を生かし、その機能をどのように拡大充実していくか、児童館が学校や地域とどのように連携をしていくかというものであり、決して41館の児童館施設を廃止縮小していくといった内容ではないのです。
しかし、区は、あり方検討会報告が出されてから10年もたたずに、施設再編整備計画で児童館施設の全館の廃止を打ち出してしまいました。再編整備計画の素案が発表された当時、私が決算特別委員会で、保健福祉事業概要でも、この報告書と同様に、「子どもの居場所づくりの推進のために児童館運営の充実」と明記している点を指摘すると、区長からは、方針の転換だ、とやじが飛びました。さらに、方針を転換するのであれば改めて同様の検討会で議論し、検討すべきだと指摘したところ、当時の施設再編・整備担当課長からは、行政経営懇談会で意見を伺ったから問題ないとの答弁があり、私は愕然としたことを覚えています。
というのも、児童館等のあり方検討会は、社会教育学や発達心理学などに精通した学識経験者、子育て支援の関係者や保護者、区の担当部課長と児童館館長などによって構成されていましたが、行政経営懇談会の構成メンバーは、政治経済学、経営学の学識経験者や人材育成の研究員、税理士など、その名のとおり経営の専門家たちであり、児童福祉、子供の居場所や子育て支援といった分野の専門家ではなかったからです。
また、行政経営懇談会の議事録を確認しましたところ、区立施設全体の再編についての議論の中で、各施設の課題などは区から説明がありましたが、特に児童館についての課題の解消のための密な検討は行われておりませんでした。逆に、懇談会の中で、児童館については、当時の企画課長から、「平成3年と23年直近を比較しますと、学童クラブ利用者を除く小中学生の年間利用者は率にして13.4%、数にして約4万5,000人減っております。」「ちょうどこの間の区の0~14歳の人口が約15%減っておりますので、それがほぼダイレクトに反映された形になっております。」との説明がされておりました。
児童館等のあり方検討会では、児童館の小中学生の利用が減少してきた原因は、学童クラブ登録者の増加によって一般来館者が使えるスペースが減少し、使いづらくなっているからと分析しており、それとは全く違う説明を行政経営懇談会で行っていたのです。
児童館等のあり方検討会のように、児童福祉や子育ての専門性を持った学識経験者や児童館関係者が集まった組織でもなく、さらには、子供が減ったから児童館の小中学生の利用も減ったと勘違いさせるような説明しかしていない行政経営懇談会で意見を聞いたのだから、児童館廃止への方針転換は問題ないのだと開き直る姿勢は、児童館や子育て支援といった分野に対し、余りにも無責任な姿勢だったと指摘するものですが、区の見解を確認いたします。
改めて、児童館の今後のあり方や、区が進める再編整備の方針について、その是非を含めた意見を検討会や学識経験者から聞くべきだと指摘するものですが、区の見解を求めます。
児童館における小学生の居場所機能について、杉並区は、小学校内で行う放課後等居場所事業で機能の継承・発展ができると説明してきましたが、果たしてそうでしょうか。
杉並区立児童青少年センター及び児童館条例の中では、児童館が行う事業は、次の7項目と規定されております。1、児童の福祉活動に関すること。2、児童の科学への興味及び知識の普及向上に関すること。3、図書の閲覧及び絵画等の展示に関すること。4、各種講座の開設及びクラブ活動の指導奨励に関すること。5、児童の自主活動及び自主サークル形成の支援に関すること。6、健全な遊びを通して、児童の集団的及び個別的な指導に関すること。7、児童に係る総合相談及び地域における子育て支援の組織化に関すること。
放課後等居場所事業実施要綱で示されている事業は、「(1)放課後等における小学生の安全・安心な居場所の提供 (2)文化・創作活動やスポーツ、遊び、地域住民との交流活動等のプログラムの提供 (3)学習活動の支援 (4)子どもの自発的な活動・遊びの援助」のたった4項目で、児童の福祉活動、科学の興味及び知識の普及向上、図書の閲覧及び絵画等の展示、サークル形成の支援、児童の集団的及び個別的な指導、児童に係る総合相談など、児童館が行ってきた事業内容がなくなってしまっております。区の条例、要綱の面から見て、児童館の機能が継承・発展されているとは言いがたいものと指摘しますが、区の見解を求めます。
改めて、条例上で児童館が行う事業として示されている7つの事業について、各事業が現在どのように実施されているのか、具体的な説明も求めておきます。また、それぞれの事業が施設再編後は条例、要綱、規則などでどのように定義されているのかの説明も求めます。
児童福祉法での位置づけはどうでしょうか。児童館は、児童福祉法の児童厚生施設と定義されており、同法第40条で「児童厚生施設は、児童遊園、児童館等児童に健全な遊びを与えて、その健康を増進し、又は情操をゆたかにすることを目的とする施設とする。」と規定され、この目的を達成するための最低基準が設けられています。具体的には、児童館等屋内の児童厚生施設には、集会室、遊戯室、図書室及び便所を設けること。児童厚生施設には、児童の遊びを指導する者を置かなければならない。児童厚生施設の長は、必要に応じ児童の健康及び行動につき、その保護者に連絡しなければならないといった基準です。そのため、児童館には独立した集会室、遊戯室、図書室が設けられ、さらに図工室や音楽室なども自治体の裁量で設置されているのです。それぞれ独立した部屋だからこそ、子供たちはその中で自分の好きな遊びを選択し、集中して行うことができます。
しかし、放課後等居場所事業は、子ども・子育てプラザの施設外事業としての位置づけしかなく、実施されるのは、学校施設の一部の限られたスペースのみで、児童厚生施設として定められていた法的な最低基準、いわゆる集会室や遊戯室、図書室などの設置義務がなくなってしまっております。
結果として、児童福祉法等で定められた児童館の子供の居場所としての最低基準が、放課後等居場所事業には引き継がれていないのです。この点からも、児童館機能の継承・発展にはつながっていないというふうに指摘をするものですが、区の見解を求めます。
こういった指摘をすると、条例や法律で規定しなくても、現場ではきちんとやって継承できるんだと区は言うかもしれませんが、法的な規定や最低基準はとても重要なので、一例を挙げたいと思います。
先日、和泉学園の放課後等居場所事業を視察させていただきました。校舎内のランチスペースを利用して実施されており、工作や宿題、ブロック遊びなどで子供たちは過ごしておりました。そこでの図書は、学校図書室から借りてきた児童書が3段の移動式ファイルラックに置かれており、100冊程度しかありませんでした。私、高円寺北児童館に問い合わせをしましたが、図書はおおよそ2,400冊、高円寺中央児童館では1,500冊図書があり、いつでも自由に手にとることができます。児童厚生施設として図書室の設置義務があること、また、杉並区の児童館条例で「図書の閲覧及び絵画等の展示に関すること。」を実施事業として規定しているからこその充実ぐあいなのです。
しかし、区の放課後等居場所事業実施要綱では、図書室の整備及び図書の閲覧については記載がありません。児童館と比較しても10分の1以下の図書しか子供たちに提供できていない原因は、そこにあります。小学校内の図書室があるではないかと言われるかもしれませんが、18時まで放課後等居場所事業が行われておりますが、小学校の図書室はそれより前に閉館してしまいますので、児童館と同等とはいきません。
こういった点からも、杉並区の児童館が行ってきた事業の1つである図書の閲覧に関する事業が、小学校内での放課後居場所事業では継承・発展できていないことは明らかだと指摘するものです。区の見解を求めます。
小学生の居場所が小学校内での放課後等居場所事業となることで、不登校児童や学校になじめない子、学校から距離を置きたくなった子など、さまざまな事情を抱える子供の居場所に影響があることを、この間指摘してきました。区は、子ども・子育てプラザで対応していきたいとしておりますが、子ども・子育てプラザになってしまえば、乳幼児親子専用のスペースに改装されるため、今までの小学生の居場所から激変してしまいます。また、子ども・子育てプラザは区内で14館しかつくられないため、そういった子供たちの居場所が数としても減少してしまいます。児童館が救いの場になっていた児童にとって、その子たちが求めていた児童館の機能は、結果的には継承・発展できていないと指摘するものですが、この点についても区の見解を求めます。
学校統廃合が行われる地域ではさらに深刻です。高円寺地域では、児童館2館が廃止され、そのかわりに実施される放課後等居場所事業は、統廃合後の小中一貫校の1カ所のみとなってしまいます。高円寺地域では小学生の居場所が減少してしまうことは、誰の目から見ても明らかだと指摘しますが、この点についても区の見解を求めます。
次に、児童館の廃止に伴う学童クラブの小学校内への移設についての問題点です。
児童館内に併設されている学童クラブに通う児童の保護者の方々からは、これまで児童館で保障されていた遊戯室、音楽室、工作室などの空間が、小学校内での実施となることでどうなるのか不安といった声や、学校ではない場所で過ごすことで精神的な安心感があったと思う、一日中学校の中ではストレスがたまってしまうのではといった声。現在でも100名を超えているが、さらに人数がふえることになるのは心配といった声など、さまざまな不安の声が寄せられております。
こういった不安の声のうち、学童クラブの大規模化の問題について取り上げたいと思います。
先日の和泉学園での視察では、学園内の学童クラブの視察もさせていただきました。もともと学園内で実施されている学童クラブと、廃止された和泉児童館に併設されていた学童クラブが統合されたため、現在160人を超える大規模な学童クラブとなっています。当日は雨天でしたので、ほとんどの児童が学童クラブの施設内で過ごしておりましたが、私が感じたのは、160名の子供たちにとって施設が余りにも狭過ぎるということと、子供たちの集団が大き過ぎるということです。
全国学童保育連絡協議会がことし10月3日に発表した学童保育(放課後児童クラブ)の実施状況調査では、「一人ひとりが安心して関係を築けるために、集団の規模は『おおむね40人以下』であることが必要」とし、たとえ40名の支援の単位に2名の職員がついたとしても、学童クラブとしての集団の総数が大規模化することで、子供たちが騒々しくて落ちつけない、ささいなことでけんかになる、指導員の目が全体に行き届かなくなったり、子供の声に耳を傾けられず、適切に子供にかかわることが困難になる、遊びや活動を制限せざるを得ない、事故やけががふえるなどの問題点が指摘されています。私は、160名規模となっている和泉学園の学童クラブを実際に視察し、こういった問題点を実感いたしました。
児童館の廃止に伴い、学童クラブが学校内に移設される際、複数のクラブが1つに統合されることで、学童クラブの定員が150名、200名と大規模化することは、子供たちの学童クラブでの生活に大きな影響を与えると指摘しますが、区の見解を求めます。
児童館の廃止に伴う乳幼児親子の居場所の減少も大きな問題です。1小学校区に1児童館が設置され、ベビーカーを押して歩いて行ける距離にあるのが乳幼児親子にとって大きな利点でした。しかし、児童館41館が廃止された後につくられる乳幼児親子専用施設の子ども・子育てプラザは、14館のみです。
高円寺北児童館でゆうキッズ事業に参加していた保護者にお話を伺ったところ、高円寺北児童館がなくなってしまったら、高円寺中央児童館が子ども・子育てプラザとなっても遠くて行けないとおっしゃっておりました。地域コミュニティー施設や廃止後の児童館を利用して設置される学童クラブ専用館に乳幼児スペースを設置すると区は言いますが、そこには専門職員が常駐するわけではないと区も明言しています。そもそも、施設再編整備計画第一次実施プランでは、ゆうキッズを含む乳幼児親子の居場所については、「全体として現在と同規模の実施場所を確保する」としていましたが、第二次実施プラン案では、「地域コミュニティ施設等にも乳幼児親子の居場所となるスペースを確保し、区全体で現在と同規模の居場所を確保」するとの記載になっています。地域コミュニティー施設等で確保されるのは、ゆうキッズの実施場所ではなく、居場所となるスペースのみと、乳幼児親子の居場所の質が下がってしまっているんです。地域コミュニティー施設等の乳幼児親子のスペースは、専門の職員が常駐するわけでもなく、現在の児童館と同じようにゆうキッズ事業が日常的に実施されるわけでもありませんので、児童館が果たしている乳幼児親子の居場所の代替施設とはなり得ないと指摘するものですが、区の見解を求めます。
また、ゆうキッズ事業などが日常的に実施されるような、現在と同等の乳幼児親子の居場所は、施設再編整備後は子ども・子育てプラザの14館のみとなり、結果的には当初の41館から3分の1へと激減することになります。この点について区の見解を求めます。
学童クラブの民間委託についても問題があります。
施設再編整備計画第二次実施プラン案と同時期に発表された杉並区行財政改革推進計画改定案では、「学童クラブ運営委託の推進」として、2019年度から2年間で6クラブの民間委託が計画されています。児童館廃止に伴い、併設されていた学童クラブが学校内に移設するタイミングで民間委託が行われます。それにより区職員の人数は何名削減されるのか、また人件費などの経費削減はどれくらいとなるのか確認いたします。
児童館の廃止と学童クラブの小学校内の移転によって進められる民間委託は、人件費削減が目的であることは明らかではないでしょうか。この点、区の見解はいかがでしょうか、答弁を求めます。
実は、児童館廃止に伴って進められる民間委託は、学童クラブに限ったものではありません。小学校内で実施される放課後等居場所事業についても、学童クラブの委託事業者が実施することになるのです。児童館職員は現在日常的に児童生徒と接する中で、家庭の状況、例えばネグレクトや虐待、またそこに至る前の小さな変化、兆しなどを把握し、子ども家庭支援センターや学校の教員と密な連絡をとり合って対応しています。こうした中で区職員の専門性も向上していくことになりますが、民間委託によりその機会が奪われれば、職員の専門性が低下し、その結果、保護者、家庭への適切な支援が行えなくなってしまう可能性があると指摘します。この点、区の見解を求めます。
また、区職員同士だからこそ、部署を超えた細やかな連携が行えているとの声もあります。ある児童館職員から、ネグレクトの兆しが見える児童について、児童館に来館したら、その様子を子ども家庭支援センターに毎回連絡し、状況を報告して、対応を相談しているとのお話をお聞きしたことがありました。民間委託によって、こういった密な連携ができなくなる可能性もあると指摘しますが、区の見解を求めます。
以上、施設再編整備計画における児童館廃止の問題点をるる指摘させていただきました。こうした指摘は、さきに述べたとおり、保護者の方々や地域の児童館関係者などの多くの方からも寄せられております。
最後に、子供たちの健全な育成の場を確保するためにも、子育て支援の拠点として機能してきた現在の児童館施設を存続させ、区内に細かく設置されたその利点を生かしつつ、機能を拡充していくことを強く要望し、区の見解を最後に求めまして、私の一般質問を終わります。
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○議長(大熊昌巳議員)
理事者の答弁を求めます。子ども家庭担当部長。
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〔子ども家庭担当部長(徳嵩淳一)登壇〕
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◎子ども家庭担当部長(徳嵩淳一)
私から、児童館の再編整備に関する一連の御質問にお答えします。
初めに、平成18年12月にまとめた児童館等のあり方検討会報告に基づく地域子育てネットワーク機能強化の取り組みについてですが、本事業の事務局である各児童館では、この間、各地域の実情に応じた働きかけを進めており、幼稚園や保育施設、区立学校の学校支援本部やおやじの会など、新たな参加メンバーによる地域ネットワークの輪が広がり、総じて活動の活性化が図られてきております。
次に、地域子育てネットワーク拠点機能についてですが、児童館再編後につきましては、拠点の数にかかわらず、子ども・子育てプラザを中心に継承・発展していくこととして、現在も取り組んでございます。
次に、あり方検討会報告と児童館の再編整備との関係ですが、同報告と再編整備計画で明らかにしております児童館を取り巻く現状及び課題認識は、総じて軌を一にしております。再編整備計画では、そうした経過等を踏まえて、それらの課題の解決策を、将来を見据えつつ、より現実的かつ具体的に示したものでありますので、その意味で方針転換という議員の御指摘は当たらないと考えます。
次に、条例に規定する児童館事業についてのお尋ねですが、現在の児童館で行っている事業は、御指摘の小学生の放課後等居場所事業のほか、児童館と同じく児童厚生施設として位置づけている子ども・子育てプラザ等で継承・発展させていくものであり、御指摘の7項目につきましては、基本的に放課後等居場所事業実施要綱及び子ども・子育てプラザ運営要綱において規定するとともに、総じて適切な実施が図られているものと考えております。
なお、放課後等居場所事業は、あくまでも地域の小学生を対象とした事業でありますので、当然のこととして児童厚生施設への位置づけはできないものです。
また、関連して、杉並和泉学園における放課後等居場所事業の利用児童に供する図書につきましては、学校司書の協力を得て、同学園内図書室からの貸し出しにより、定期的に図書の入れかえを行い、児童の閲覧ニーズに対応しているところでございます。
次に、学校になじめない子供の居場所についてのお尋ねですが、児童館再編後につきましては、子ども・子育てプラザで受け入れるほか、今後段階的に30から40カ所程度整備する予定の地域コミュニティー施設の利用も想定してございます。
次に、学校の統廃合が行われる地域では、子供の居場所が減少するのではないかとのことですが、例えば仮称高円寺学園開校後につきましては、同学園内で学童クラブ及び小学生の放課後等居場所事業を実施するほか、乳幼児親子の居場所は、機能移転後の高円寺中央児童館を転用して仮称子ども・子育てプラザ高円寺を整備することにより、基本的に終日にわたり一層充実したスペースで利用いただくことが可能となります。
また、統合後の杉並第八小学校跡地を活用して地域コミュニティー施設等を整備することで、乳幼児親子や子供たちの居場所の選択肢を広げていく考えです。
なお、地域コミュニティー施設等における乳幼児への対応につきましては、施設全体の運営管理とあわせ、必要な見守り等の体制を検討してまいる考えです。
次に、大規模な学童クラブの運営についてのお尋ねがありました。
現在150名超の規模となっている和泉学園学童クラブでは、利用児童を50名程度の3グループに分けるとともに、必要な児童担当職員を配置して適切に運営しており、今後とも同様の対応を図ってまいります。
次に、児童館再編前後における職員数の変化についてのお尋ねですが、児童館の配置職員数につきましては、旧和泉児童館の例を申し上げますと、再編前が常勤5名及び嘱託員3名の計8名体制、再編後の子ども・子育てプラザ和泉は、常勤5名及び嘱託員4名の計9名体制となっております。
また、学童クラブにつきましては、旧和泉学童クラブでは、常勤2名及びパートタイマー2名の計4名による直営で運営しておりましたが、民間委託後も、利用児童数に応じた人員配置基準を前提に委託料を支出しております。児童館の再編は単に経費の削減が目的ではないかとする議員の指摘は当たらないものと考えます。
次に、学童クラブや小学生の放課後等居場所事業を民間委託により実施することで、虐待等の兆候が疑われる児童及びその家庭への支援が適切に行えなくなるのではないかとのお尋ねがありました。
これらの委託事業者には、従事職員が児童虐待等の疑いに気づいた場合、直ちに区へ連絡するよう徹底を図っており、その後は区を通して必要な支援につなげてまいりますので、御心配には及びません。
私からの最後に、児童館を再編せずに存続すべきとのお尋ねですが、この間再三御答弁申し上げているとおり、乳幼児親子及び学童クラブのニーズが大幅にふえている中、これらを全て児童館という限られた施設スペースで受けとめることは困難でありますので、今後とも児童館の再編整備を適切かつ丁寧に進めてまいる考えです。
以上でございます。
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○議長(大熊昌巳議員)
34番富田たく議員。
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〔34番(富田たく議員)登壇〕
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◆34番(富田たく議員)
再質問させていただきます。かなり答弁漏れがありましたので、この場で指摘させていただきます。
まず、「1小学校区に1児童館がある利点を生かし」と児童館等のあり方検討会で書かれていたところのその利点というのはどのようなものだったのか、そしてどのように生かしてきたのかという質問について答弁がありませんでした。答弁を求めます。
また、改めて、あり方検討会と同様の学識経験者や検討会などで、今の区の児童館にかかわる方針について意見を聴取すべき、聞くべきだというふうに指摘をさせていただきましたが、その点についても答弁がなかったものと思われますので、この点も答弁を求めます。
あと答弁がなかったのは、乳幼児親子の居場所についての減少ですね。まず地域コミュニティー施設については、乳幼児親子のスペースとして設置されるとありますが、専門の職員が常駐されるわけではないとのお話もありますし、ゆうキッズ事業が日常的に実施されるわけでもないとの認識であります。ということで、現在の児童館が果たしている乳幼児親子の居場所としての代替策とはなり得ないというふうに指摘をするものですが、その点、区の見解を改めて求めます。
また、地域コミュニティー施設や児童館廃止後の学童クラブが乳幼児親子の居場所の代替とはなり得ないということから鑑みて、子ども・子育てプラザ14館のみでは、実際に乳幼児親子の居場所が3分の1へと減少することになると厳しく指摘をしますが、その点についても答弁を求めます。
そして学童クラブの民間委託についてですが、民間委託によって区の職員が何名削減されるのか、また人件費などの経費の削減効果はどれぐらいか、これも事前に質問通告をしっかりとして、所管の方にお話をしております。きちんとこれは答えてください。
さらに、委託によって区の職員の専門性が奪われる、民間委託によって児童と接する機会が少なくなり、区の職員の専門性が低下する可能性があるのではというふうに質問させていただきましたが、これについても答弁がなかったように思います。改めて答弁を求めます。
答弁についてですが、まずは地域子育てネットワークの拠点について、拠点の数にかかわらず実施していくと言いますが、実際に児童館施設として、子育てネットワークの拠点として今まで41カ所あったわけです。それが14カ所に減少してしまうということは、拠点の数にかかわらずというふうに区が言っていることを見ると、14館に減少すると認めているということでよろしいでしょうか。この点も確認させていただきます。
それから、児童館条例で児童館の事業として示されていた7つの事業について、プラザと放課後等居場所事業の要綱でそれぞれ規定されていると書かれておりましたが、では、それぞれ、7つある児童館の事業、その内容が具体的にどの要綱の項目に当てはまっているのか、明確に示してください。私は、これは、子ども・子育てプラザや放課後等居場所事業の要綱では大分抜け落ちているというふうに指摘するものです。改めてその答弁も求めます。
あと、児童館機能の1つとして、図書の閲覧に関する事業というものが杉並区ではあります。普通の児童館では1,500冊から2,400冊の図書がいつでも手にとれる状況でありましたけれども、それがたった100冊になってしまっているんですよ、放課後等居場所事業では。これはもう図書に関する事業が縮小されたということは明らかではないでしょうか。この点改めて厳しく指摘をしますが、区の見解を求めます。
総じて、法的な面、条例的な面も、そして機能的な部分も、現在の児童館が培ってきた、担ってきた役割というもの、機能というものが、再編整備計画後の子ども・子育てプラザや放課後等居場所事業では継承できていないというふうに厳しく指摘するものです。改めて児童館の全館廃止方針を撤回し、児童館を存続することを厳しく求めます。最後にこの点を改めて区の見解を求めて、私の再質問を終了させていただきます。
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○議長(大熊昌巳議員)
理事者の答弁を求めます。子ども家庭担当部長。
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〔子ども家庭担当部長(徳嵩淳一)登壇〕
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◎子ども家庭担当部長(徳嵩淳一)
富田議員からの再度の御質問にお答えします。
まず、1小学校区に児童館がある利点をどう生かしてきたのかという御趣旨の御質問でしたが、これは、その時点で現に存する児童館施設を前提に、一生懸命児童の健全育成に取り組むということであって、先ほど御答弁申し上げたとおり、そのときの問題意識も踏まえて、今、再編整備計画で、現実的かつ妥当な方向性を進めているということでございます。
次に、学識経験者等の意見を改めて聞くべきではないかということですが、先ほどの第1質問での御答弁に、議員がおっしゃる、単に方針転換ということではないということでお答え申し上げておりますが、私ども現在、区の附属機関である子ども・子育て会議などで、こういった児童館の取り組みについても必要な意見をいただきながら進めているところでございます。
次に、乳幼児親子に関して、専門職員の常駐について再度の御質問がありました。
これにつきましては、先ほど、地域コミュニティー施設等における乳幼児への対応については、施設全体の管理運営とあわせ、必要な見直し体制等の検討を考えているというふうに御答弁したところでございます。
次に、地域コミュニティー施設で考えているといっても、乳幼児親子の居場所が激減することには変わりないといった趣旨の御質問ですが、これもかねてから御答弁申し上げておりますけれども、私ども、子ども・子育てプラザのほかに、今後段階的に区内に30から40カ所程度整備していく地域コミュニティー施設、その全体の中で必要な居場所を引き続き整備していくという考え方を申し上げてございます。
次に、児童館の再編に伴う職員削減数について再度の御質問がありましたが、これも先ほどの第1質問での御答弁で、和泉児童館から子ども・子育てプラザ和泉にかわったところの職員数は、しっかり御答弁申し上げました。
つまり、申し上げたいのは、新たな視点で再編整備計画に基づいて、和泉児童館の職員は、先ほど申し上げた職員が、その部分だけでいえば減じています。ところが、子ども・子育てプラザ和泉では、8名に対して9名という職員配置で対応しているということを、その差もわかるように御答弁しておりますので、御理解いただきたいと思います。
続きまして、委託に伴う区の職員の専門性の低下という視点での御質問がありましたが、この点につきましては、例えば子ども・子育てプラザにおいては、区の職員が引き続きそういった視点で専門性を磨いておりますし、また、学童クラブあるいは放課後等居場所事業の委託事業者と密接な連携を図る中で、そうした中で区の職員は現場感覚を磨きながら専門性を吸収していく。その他研修等も含めて、職員についてはしっかりとこれからも対応していくという考えでございます。
次に、地域子ども・子育てネットワークの拠点数の話、再度の御質問がありましたけれども、先ほど御答弁申し上げたとおり、拠点の数にかかわらず、私どもは、子ども・子育てプラザを中心に、そうしたネットワーク機能を継承していく考えでありますし、現に和泉あるいは成田西のプラザにおきましては、そのように対応しているということを申し上げたところでございます。
続いて、児童館の現行の条例の7項目に規定している事業の内容に絡めて、要綱で具体的にどうやっているのかということですが、これは全部読み上げますと少し時間がかかってしまうので、概略御答弁申し上げますけれども、現在の児童館条例に規定している事業の項目については、放課後等居場所事業実施要綱のほか、子ども・子育てプラザの運営要綱におきましても、子供の成長に応じた自由な遊び、居場所の提供であるとか困難を抱える子供の支援であるとか、仲間づくりの場の提供及び支援であるとか、文化・スポーツの場の提供及び支援であるとか、それぞれ、言葉の表現はともかくとして、精神的なもの、事業の内容としてはきちっと継承しているというふうに考えてございます。
次に、杉並和泉学園の放課後等居場所事業における図書につきまして、再度の御質問がありました。
これも先ほどしっかり御答弁申し上げておりますけれども、この点については、同学園の学校司書の全面的な協力を得て、定期的に同学園内の図書室からの貸し出しを入れかえて児童の閲覧ニーズに対応しているということで、今後とも適宜適切に子供のニーズを踏まえた図書の提供を図ってまいりたい、かように考えております。
最後に、議員からは、児童館を再編せずに存続すべきという改めての御質問がありましたけれども、これも繰り返しになりますけれども、今の限られた児童館という施設、スペースで全てのニーズを受けとめることが困難であるという現実を踏まえて、社会資源全体を活用して、子供の居場所をきちっとこれからも運営を図っていくということで、それについては、今の考え方を大切にしながら、今後とも丁寧かつ適切に計画を進めてまいりたい、かように考えてございます。
以上です。
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○議長(大熊昌巳議員)
以上で富田たく議員の一般質問を終わります。
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~議事録抜粋終了~