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【議事録】 議案第7号『杉並区立子ども・子育てプラザ条例』(児童館廃止条例)に対する富田たくの質疑 2016年2月19日 杉並区議会第1回定例会 保健福祉委員会

議事録

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議案審査 : 議案第7号『杉並区立子ども・子育てプラザ条例』
質問者 : 日本共産党杉並区議団 富田たく

2016年2月19日に行われた杉並区議会・保健福祉委員会で僕が行った議案質疑の議事録をアップします。(議事録については時系列で管理を行うため、このエントリーの更新日は質問当日の日付にしております。更新日2016年6月10日)
※この議事録は富田たくの質疑を抜粋したものです。当日の全議事録はコチラから。
~議事録抜粋開始~

平成28年 2月19日保健福祉委員会-02月19日-01号

○安斉あきら 委員長
続いて、議案第7号杉並区立子ども・子育てプラザ条例を上程いたします。
本会議の説明以外に、理事者から補足の説明はございますか。
◎保健福祉部長
特段ございません。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
○安斉あきら 委員長  これより質疑に入ります。
質疑のある方は挙手をお願いいたします。──それでは、委員会の円滑な運営と公平を期するため、最初の質疑は答弁を入れてお一人往復10分程度とさせていただき、一巡した後、必要があれば再度質疑をしていただくということで進めていきたいと思います。議事進行に御協力のほど、よろしくお願いいたします。
~他の委員の質疑(中略)~
◆富田たく 委員
では、私からも、議案第7号杉並区立子ども・子育てプラザ条例について何点か確認させていただきます。
この条例は、杉並区区立施設再編整備計画の中で打ち出された児童館廃止にかかわる重要な条例です。平成25年、2013年9月に発表された施設再編整備計画(素案)では、ゆう杉を除いた41館の児童館全館が廃止と発表され、そのうち4館だけは、仮称子どもセンター、今ここで上がっている子ども・子育てプラザになる。10館は学童クラブ専用館へ、残りの施設は他の施設へ転用する。また、児童館の中に入っている学童クラブについては小学校の中へ、さらに、児童館でやっていた放課後居場所事業などは小学校の中で実施するというような素案が発表されて、これが杉並区内に大変大きな衝撃を与えたわけです。
私たちも、この児童館、41館もある子供たち向けの居場所、これを廃止して、たった4館にしてしまう、そんな話はどうにかとめられないかと区民の方々とお話し合いをしたり、さまざまな報告を区民に向けて出したりしました。その中で、議会、それから区民から大規模な反対の声が上がり、2カ月後、2013年、平成25年の11月、改定素案の中では、児童館廃止という言葉は削除されました。しかし、その内容はほとんど変わらず、さらに、学童クラブ専用館の10館構想というのも、その段階で削除されてしまいました。児童館のうち4館は子どもセンターに、そしてそれ以外は他の施設へ転用という改定素案が発表されました。
その後も住民からの児童館を守ってほしいというたくさんの声、運動がありまして、翌年2014年、平成26年1月の計画案が発表された際には、当初4館とされていた子どもセンターが、10館ふえて14館というふうに明記されました。これは私も議会で指摘をしましたが、当初の学童クラブ専用館にするという10館をそのまま充てただけじゃないのかという指摘をしたところであります。学童クラブの小学校への移行と放課後居場所事業の小学校への移行が実現したところからと、マイルドな表現に変わりましたが、しかし、全て残りの児童館は他の施設へ転用するという形になったわけです。
この計画案に対してパブコメが行われました。児童館、学童クラブについては、60項目の意見が出され、その8割以上が反対の声だと。私、これを当時議会でも指摘しましたが、あのときは予算特別委員会でしたかね、目の前の区長から、おまえたちがあおるからだよと、そういったやじもいただきました。
さらに、パブコメ以外でも133件もの意見がこの計画案にあり、そのうち48件が、児童館、学童クラブについての意見だった。その中身の内訳はというと、48件全てが、児童館の廃止、学童クラブを学校の中に入れることについて反対という意見でした。この点を指摘したときも、区長からは、一つの意見だと、このようにやじが飛びました。区に寄せられる意見のうち、48件全てが反対の意見だったのに、それを一つの意見だというふうに言ってしまう区長の姿勢が、本当に私には考えられません。その後、こういった区民の声を全く無視して、杉並区は26年3月に計画決定をいたしました。
こうした経過の中、今回上程された議案第7号杉並区立子ども・子育てプラザ条例は、41館の児童館を全て廃止し、14館の仮称子どもセンター、子ども・子育てプラザと名称は変わりましたが、それを整備する計画の最初の一歩となるわけですが、まずそういう認識でよろしいでしょうか。
◎児童青少年課長
いろいろお話がございましたが、区立施設再編整備計画に基づいて、児童館施設を地域の子育ての拠点にし、先ほど他の委員にも御答弁しましたが、小学生の機能などを小学校に入れていく、そうしたところが整ったところでやっていくということを踏まえながら、子育て支援の新たな制度にも対応し、乳幼児親子の居場所というものを拡充する、地域ニーズにも応えていく、そうした施設に転換をするということで、今回御提案するものでございます。
◆富田たく 委員
新しいニーズと新しい制度に対応するために、子供たちの居場所であった41館の児童館はなくすということを認められたわけですけれども、そもそもこの児童館、今回プラザに変わるときに、小学生の放課後居場所事業というのが小学校のほうに移行されるというふうに認識してよろしいんでしょうか。
◎子どもの居場所づくり担当課長
和泉児童館で今までやっていた小学生の放課後の居場所というものは、和泉学園のほうにしっかりと確保していく予定でございます。ただ、現在はモデル事業でございますので、和泉のプラザのほうでも小学生がきちんと放課後の時間を過ごせるようにはしてまいります。
◆富田たく 委員
現在行われているモデル事業というのは、具体的に、例えば週何回、どれぐらいの時間帯でどのようにやっているのか、教えていただけますか。
◎子どもの居場所づくり担当課長
和泉学園は来年度から実施することになってございます。現在プレ事業ということで実施はしておりますが、その辺については、学校、それから実施する者と詳しく調整をしながら進めてまいりたいというふうに考えております。
◆富田たく 委員
今プレ事業でやっているということですよね。なので、その内容、どういうふうにやっているのか、教えていただけますか。
◎子どもの居場所づくり担当課長
現在は、日程について学校と調整をし、2月に2回か3回、済みません、ちょっと今手元に資料がないんですけれども、3月までの間に5回ぐらい実施をすることとなっています。
内容につきましては、児童館のプログラムを持ち込んで、子供たちに募集をかけて実施をしているというところでございます。
◆富田たく 委員
杉並区はこれまで、学校の中に入れても児童館の機能を維持、拡充できるんだと。仮称子どもセンター、プラザになっても維持、拡充できるんだと言っていたんですから、その具体的な内容というのがすごく気になるわけですが、この間、3月までに5回行うというところで、具体的には体育館でやっているのか、校庭でやっているのか、それとも学校内の特別教室などの空き教室でやっているのか、どういった内容をやっているんでしょうか。
◎子どもの居場所づくり担当課長
学校の武道場をお借りしたり、それから小アリーナ等を使って事業をやっているところでございます。
◆富田たく 委員
和泉学園は、小学校、中学校が一緒になった、杉並区内初めての施設一体型小中一貫教育校であります。放課後には中学生の部活動なども行われると思うわけですけれども、武道場や小アリーナなどを使っている部活との調整が大変じゃないのかなと思うわけですが、どのように調整されているんでしょうか。
◎子どもの居場所づくり担当課長
あらかじめスケジュールについて学校と調整をして決めているところでございます。
◆富田たく 委員
その辺の具体的なところを少し知りたいと思うんですけれども、例えば武道場だと、和泉学園ではそれを使う部活動がなければいつでも使えるわけですよね。実際には、武道場を使うような部活というのは、和泉学園には何個ぐらいあるんでしょうか。
◎子どもの居場所づくり担当課長
クラブの数については承知はしてございませんが、学校と調整する上で、学校が小アリーナを使う、それから武道場を使うというところで、この日であれば使えるというところをきちんと把握して、こちらで使わせていただいているというところでございます。
◆富田たく 委員
要するに、基本的には、中学生たちの部活動や放課後の活動などで使用しない場所を小学生に使わせていただくという形で進めようとしているわけですよね。
◎子どもの居場所づくり担当課長
小アリーナは、原則小学生が使うものというふうに認識してございます。武道場についても、必ずしもクラブ活動で毎日使っているわけではございません。その他多目的室、オープンルーム等ございますので、使える部屋を学校と調整し、十分遊ぶ場所は確保できるというふうに考えております。
◆富田たく 委員
遊ぶ場所は確保できるというのが、今後この条例が可決されて、実際に和泉児童館が廃止されましたというふうになったら、子供たちの居場所というのは、放課後居場所事業の補完としての機能しかプラザは持っていないと先ほどおっしゃっていたように、和泉学園での放課後居場所事業というのが重要になってくるわけですよね。それは毎日できるようなものなんでしょうか。
◎子どもの居場所づくり担当課長
当然、毎日できるように努力してまいるというところでございます。
~他の委員の質疑(中略)~
○安斉あきら 委員長
それでは、一巡しましたので、再度質疑のある方は挙手をお願いいたします。
◆富田たく 委員
では、先ほどの続きをやらせていただきたいと思いますが、今後、和泉学園内の放課後居場所事業は毎日やる方向で検討していくということで、本当にそれが可能なのかというのは大変疑問であります。
さらに、区立施設再編整備計画の中では、児童館内の学童クラブについては小学校に移設していく、また、児童館でやられていたゆうキッズ事業というのも、小学校に移設した学童クラブなどでも対応していくというような記載があるんですけれども、その辺は、今回和泉児童館からプラザ和泉に変わる中でどのようになっていくんでしょうか。
◎児童青少年課長
こちらに関しましては、乳幼児の親子の居場所、またゆうキッズのプログラム、こうしたものは地域子育て支援拠点事業、また利用者支援事業ということでプラザで実施してまいりますので、そちらのほうでこれもやっていくということでございます。
◆富田たく 委員
ということは、プラザがつくられるもとの児童館については、その中でゆうキッズ事業といったこともやっていくけれども、その後、プラザがつくられない、他の施設に転用されるようなもともとの児童館の地域では、学内に入れられた学童クラブでゆうキッズをやっていくということになるんですか。
◎児童青少年課長
現在の第一次プランの計画の中で予定しているところについては、学校内に学童クラブを入れたところでそうした乳幼児の居場所事業を行うという予定は、今のところございません。今後整備を進めていく中で、小学校の通学単位ということで申し上げています。それはどういう場所で実施していくのかということは、再編の中で取り組むべきことであって、学校の中で実施するということを別に明言するわけではなく、可能であればそういう場合もあると思いますが、ただ、1日いられる場所ではありませんので、きちんと1日いられる場所として確保していくことは当然必要かという認識のもとで再編の取り組みを進めていこうということでございます。
◆富田たく 委員
区立施設再編整備計画の計画決定したものの中では、「『ゆうキッズ』を含む乳幼児親子の居場所は、引き続き小学校の通学区域単位を基本とした身近な場所で気軽に利用できるよう、再編整備後も、」「子どもセンターや学童クラブ移設後の小学校、地域コミュニティ施設等で実施することとし、」というふうに書いてあるので、ちょっと今答弁された内容と計画の内容が違うんですけれども、大丈夫ですかね。区の組織の中で、その辺そごがあるのでは。大丈夫ですか。
◎児童青少年課長
可能であれば行うということでございますので、一つの選択肢ではあります。ただ、1日いられる場所としては十分確保する必要がありますが、プログラムの実施という点で考えるならば、学童クラブは、確かに平日の午前中は子供がいませんので、そうしたところの有効活用策としては一つの検討ということでございます。
◆富田たく 委員
1日いられるところではないから、基本的にはまれな話だということですね。そこは理解できました。
それでは、新しくプラザになる施設について確認をしていきたいと思うんですが、先ほどから上がっているように、子ども・子育てプラザ和泉では、小中高生の来館があったら拒まない。ただし、メーンは乳幼児だというふうにおっしゃっているわけですね。区立施設再編整備計画の中では、そうはいっても、児童館の施設は今後プラザに変わったり、あとは小学校の中に学童クラブを入れたり、放課後居場所事業をやる上で維持、拡充ができるんだと、区はずっと言ってきたわけですよ。今回この条例が可決されれば、来年12月からまさに児童館の機能がどのように維持、拡充されるかというようなことが大きな問題になってくるわけですけれども、まず、子ども・子育てプラザ条例でつくられる、児童館が廃止された後のプラザ和泉ですか、こちらのほうはメーンが乳幼児向けになるために、小中高生については、来たら拒まないというところで、その居場所というのは、基本的には多目的室やラウンジ、あと遊戯室というところだと思うんですけれども、現状の和泉児童館の敷地面積よりも、小中学生がいられる敷地面積は少なくなるという認識でよろしいでしょうか。
◎児童青少年課長
現在、和泉児童館の中で学童クラブがございますし、乳幼児室もございます。そうしたところを含めて考えると、小中高生が使っているエリアは、今現在も今回の改編後も余り大きく変わるものではございません。多目的室、ラウンジ、遊戯室、そうしたところを有効に活用していくということを申し上げていますけれども、そうしたところは今までも使っているエリアです。そうしたところをこれから先も有効活用していこうということですから、大きく変わるものではございません。
それからもう一つ、このプラザができ上がった後ですけれども、まず小学生の学童クラブ、また放課後等居場所事業はモデル実施で行ってまいります。それに合わせて、子ども・子育てプラザ和泉のほうでも、小中高生の来館があることを想定しながら運営していくというふうに申し上げています。
これは選択肢として二つあるという状態を整えてまいります。子供たちからすれば、小学校で放課後居場所事業があったときに、そちらに行くのか、もしくはプラザに行くのかということは、子供の選択の中で選べるようになります。そうした選択肢の中で過ごせるようになる以上は、一つの拡充にはなるというふうに考えてございます。
◆富田たく 委員
児童館として残っている状態で、さらにその近くの学校でそういった事業をやるとか、近くの公園でプレーパークをやるというのは、これは純粋な拡充になるわけですよね。しかし、児童館というものが廃止されて、その機能は維持、拡充するんだと言いながら、子供たちのいるスペースは少なくなり、放課後居場所事業についても、いつから毎日できるのか、全くめどが立っていない状況で、施設的な部分だけ見ると、やはり維持、拡充はできていないんだなというふうに私は指摘せざるを得ません。
さらに、職員体制についてちょっと聞いていきたいんですけれども、先ほどは必要な人員をしっかりとそろえていくんだというふうに他の委員に答弁されていましたが、私、そういう言葉を聞いてもちょっと信用できないので、具体的な数字を示していただきたいと思います。
ちなみに、現状の児童館は学童クラブと一体で運営されているので、学童クラブ担当の職員も含むという形になると思うんですけれども、その人数と、今後プラザで予定されている職員配置について教えてください。
◎児童青少年課長
現在、常勤、嘱託ということで申し上げると、和泉児童館に配置されている人数は8名体制でございます。今後、子ども・子育てプラザになった場合ですけれども、常勤、嘱託を含めた9名体制としてまいります。
◆富田たく 委員
純粋に一人ふえるという計算になるんでしょうかね。
◎児童青少年課長
運営が通年開館ということでございますので、それに対応した人数ということで、純粋増というべきかどうかは何とも言えませんけれども、そういった対応をするということでございます。
◆富田たく 委員
ちなみに、今後、和泉学園内で行っている放課後居場所事業についても、この9名の中の何名かで運営していくということになるんですよね。
◎児童青少年課長
ただいま申し上げたのは、常勤と嘱託ということでございます。運営体制の工夫の中では、ここにまたさらなる非常勤職員の配置ということもございますので、それ以上の職員の人数の中で運営していくということでございます。
◆富田たく 委員
今聞いたのは、和泉学園で今プレ事業として行っていて、今後毎日やっていくであろう放課後居場所事業についても、この人員から割かれるのかという点を聞いたつもりだったんですけれども。
◎児童青少年課長
そうした取り組みということでございます。
◆富田たく 委員
そうすると、放課後居場所事業に一体何人の人が割かれるのかなというのがすごく気になるわけです。二つ選択肢ができたと。これは子供たちにとって、その言葉だけ聞けばすごくいいことというふうに思えるかもしれませんけれども、そこの遊びを通した、安全な、遊びをきちんと見守ってくれる大人がいるかどうかというのはすごく重要なわけですけれども、今、放課後居場所事業、プレで3月まで5回やるという中で、そこには今現状の児童館の職員が行っていると思うんですけれども、何人行ってやっているのか、その辺を教えていただけますか。
◎子どもの居場所づくり担当課長
児童館の職員も当然従事いたしますが、そのほかに、アルバイトを雇いましたり、それからいろいろな講師、そのような方を入れたり、学校支援本部、ボランティア、いろいろな方がかかわってやっているところでございます。
◆富田たく 委員
具体的な、職員は何人で、アルバイトの人が何人で、ボランティアの人が何人でというのはすぐ出ますか。
◎子どもの居場所づくり担当課長
現在の和泉学園の事業につきましては、済みません、手持ちの資料がないんですけれども、少なくとも児童館の職員が2名、そのほかに講師が1名、それからボランティアが3名ぐらい従事していたかと思っております。
◆富田たく 委員
要するに、職員については放課後居場所事業のほうにも2名、今現状で行っているということは、確実に2名行くんだなと。毎日行くということは、そこは3名体制になってローテーションを組むのかなというようなところは見えてくるわけですが、実際に乳幼児担当と小中学生担当という分けはあるんでしょうか、この中で。
◎児童青少年課長
館の運営の中でございますので、乳幼児の親子を対象ということで配置しているのは2名、また1名という形で配置するのをまず前提にはしています。その上で、非常勤職員をまたさらに加配する等の運営の工夫がございますので、それ以上の人数を配置するということになります。
◆富田たく 委員
そういう話を聞いていきますと、今現状の児童館、学童クラブも入って、その学童クラブの担当ということで、二人も含めた8名体制というのと、プラザに変わって9名体制だけれども、乳幼児担当で1ないし2名、さらには放課後居場所事業で2名というと、純粋に館の中で、来館を拒まないと言っている小中学生に対する大人の手というのがやっぱり減ってきてしまうのではないのかなというところが指摘することになってしまいます。
余り細かいところをやっていてもしようがないんですけれども、実際に乳幼児と児童、小中学生との、同じ時間帯に来たときのすみ分けみたいなものもすごく気になるわけなんですけれども、先ほどは、一時預かりの託児室は二重扉的なものになるというふうにおっしゃっておりました。平面図を見るとそれが全然載っていないので、そんな状況だったのかと、今初めて聞いたんですけれども、どんな感じで二重扉になるんですか、これは。
◎児童青少年課長
ちょっとわかりづらいのであれですが、入り口の扉、そこがあくと前室がある、そういうふうなイメージだと思っていただきたいんですけれども、この図面で申し上げれば、右側に入ったところ、ちょうど扉のように見えるところがありますけれども、そこに入ると前室があるというふうなイメージです。細かい図面になるとまた後ほどちゃんとお示ししたいと思いますけれども、そういう形になるということです。
◆富田たく 委員
細かいところは後で図を一緒に見ながら教えていただきたいと思いますが、ちなみに、今現状の児童館でもゆうキッズの事業とかやられている中で、夏休み、冬休みの長期休暇のときには、児童生徒、小中学生が児童館に来るので、ゆうキッズ事業ができないんだというような指摘がこの間もされていたわけですけれども、そういったところについて、今回プラザになってどのように変わるでしょうか。
◎児童青少年課長
ゆうキッズのプログラムが夏休み中休止になるのは、主たる目的は、学童クラブを優先するためになっています。これは学童クラブ児童が1日育成ということで、そこでさまざまな活動をするということが前提になっているので、ゆうキッズプログラムについては夏休み休止をしているというのが現状です。そうしたところを踏まえますと、今回学童クラブがなくなります。そうしたところも含めて、使える範囲をより広くしていくということの中で、ゆうキッズのプログラム、午後や、また夏休み中の実施も十分配慮できるというふうに考えております。
◆富田たく 委員
そうはいっても、小中学生が来たら拒まないということは、夏休み、冬休み中、日中、昼間から子供たちの来館の可能性があるわけですけれども、その辺のすみ分けというのは何か考えていらっしゃるんでしょうか。
◎児童青少年課長
現状でも児童館の中では、中高生については30分、40分と限定した使い分けをしたり、そうしたさまざまなすみ分けというものは行っています。これは夏休みも同様です。その中でプログラムをさらに充実していくということをしながら、中高生とのすみ分けも十分していこうということでございます。
◆富田たく 委員
僕が気になるのは、例えば乳児、おっぱいを飲んでいるか、寝ているか、笑っているか、泣いているかというような形で、寝ている時間がすごく多いんですよね。お昼御飯を食べた後だから寝ますというわけじゃなくて。そういう家族連れが毎日のように集まっているところで、それもきっと午前中の時間帯が多いのかなと思うんですけれども、そういった中で、夏休み、冬休み、子供たちが日中、午前中から来て遊ぶというのが、そういった寝ている子たちに対してどのような影響があるのかというのは、それを聞いていてすごく不安なんですが、その辺、何か考慮されているんでしょうか。
◎児童青少年課長
現在でも乳幼児室は児童館の中にございます。その中でいろいろ過ごされていると思いますけれども、今回のプラザをつくるに当たっては、乳幼児室を施設の奥のほうに配置しました。エリアとしてのすみ分けも、まずそこで行われることが可能になります。その上で、部屋の中をきちんと整えて、安全に過ごせるようにしていこうということでございます。
◆富田たく 委員
ちょっと今の説明だけではあれなので、今後どうなっていくのかというのはすごく気になるところであるんですけれども、最後に、条文について改めてきちんと確認をしていかなきゃいけないなという部分があるんですが、それは法的な根拠の部分です。
児童館が設置される根拠となっている児童館条例、正式に言うと杉並区立児童青少年センター及び児童館条例というのは、設置の第1条で、杉並区における児童の健全な育成に資するために、児童福祉法第35条の規定に基づき、児童館を設置するというふうになっているわけですね。児童館を設置するときの法的根拠というのをきちんと条文には明記されているんですが、今回プラザ条例を見ましたら、そういったことが書いてないんですね。これは施設に対する法的根拠というところです。事業については、児童福祉法の地域子育て支援事業をやるとか、子ども・子育て支援法の59条に規定する事業をやるとかという法的根拠は書かれているんですけれども、施設として、この法的根拠というのが何も書かれていないわけですが、その辺はなぜなんでしょうか。
◎児童青少年課長
恐らく児童厚生施設ということをおっしゃっているんだと思います。昨年の第4回定例会で、子ども・子育てプラザを設置するに当たって、法的な位置づけは児童厚生施設にするということを申し上げたところです。この中で、まず児童福祉法に定める児童厚生施設とは一体何ぞやということになるんですけれども、それは、児童に健全な遊びを与え、健康を増進し、または情操を豊かにする施設ということにしています。これは施設の目的になりますが、この目的につきましては、今回子ども・子育てプラザの条文の中で、事業という形でしっかりと明記をしています。その目的は、設置目的、また事業の中できっちり明記をしたということでございます。
その上でですけれども、今般の施設というのは、子育て支援の事業を総合的、一体的に実施するということで設置の目的を明らかにしていますが、こうした施設は、児童館が担ってきた児童厚生施設の機能にさらに加えて、子ども・子育て支援にかかわるさまざまな事業を行っていくということでございます。こうしたことを踏まえて、法的位置づけとしては児童厚生施設としながらも、子育て支援の施設としての性格をしっかりと設置目的として明記し、法的位置づけにつきましては、条文の中できちんと明確化できるものというふうに判断したものでございます。
◆富田たく 委員
児童福祉法に書かれている児童厚生施設のいわゆる事業をそのままプラザの条例にも載っけました、これで今までどおり子供たちの健全な遊びを通して健康を増進し、情操を豊かにすることができるんだというふうにおっしゃいますが、その児童厚生施設というのを一体どこで指定するんですか。
◎児童青少年課長
法的位置づけという点でございますので、こちらは東京都等への届け出ということになります。
〔区長「違法施設と言っているのか、脱法施設と言っているのか」と呼ぶ〕
◆富田たく 委員
区長、僕の説明の仕方がちょっと下手くそだったみたいなんですけれども、違法か脱法かという話はしていなくて、施設のあり方として、児童福祉法にのっとった児童厚生施設として条例上は今まで定められていたのに、今回のプラザ条例ではその定めがなくなっているということを指摘しているんです。条例をつくる上で、法的根拠を明確にするというのは大変強い、重要なことだと思いませんか、区長。
〔発言する者あり〕
○安斉あきら 委員長
皆さん、御静粛にお願いします。今、答弁を理事者がしますので。
◎児童青少年課長
先ほど御答弁したとおり、法的位置づけというものは条文の中でしっかりと明記できるものというふうに判断したものでございます。
◆富田たく 委員
法的位置づけが条文の中でしっかりと維持できるって、本当にそんなことを言っていていいんでしょうかね。児童厚生施設という指定をするとしないのとでは、全然違ってくるんですよ。条例上それを指定するかどうかというのは、これも大きく変わってくると思うんですけれども、その辺って、なぜだかわかりますか。
◎児童青少年課長
条例上で明記するかどうかではなくて、法的位置づけとして、区がきちんとそういうふうに児童厚生施設として認識しているかどうかによって変わるものかと思います。
◆富田たく 委員
三角の答えですね。条例上で児童厚生施設としてこの施設を設置するというふうに書かれた場合、今後その施設から児童厚生施設という縛りをなくそうと思ったら、議会にかけなきゃいけないんですよ。でも、今このプラザ条例では児童厚生施設という指定は全くなくて、事業目的だけ書かれています。その事業目的、一体どこに根拠があるのかというのは、ここに明確に書かれていないんですよ。なので、児童厚生施設というふうに今回は指定するからいいんですと言っておりますけれども、その児童厚生施設の指定を外すのも外さないのも、区の、区長の恣意的な考えに基づいてできるようになっちゃうんです。今はまだ、子供たちが来ても拒みませんよ、だから児童厚生施設として指定しておきますよと。でも、いつの間にか、僕たちが知らないところで児童厚生施設の指定を外しましたというのもやられちゃうんですよ。これ、議会にかけられないんですよ。
さらに、児童厚生施設というふうに指定することで、さまざまな基準というものが設けられます。これは予算がかかるものですし、区を縛ることにもなります。ただし、それは子供たちの健全な育成、情操を豊かにしていくという、そういったことを目的に、児童福祉法で定められていることなんです。それをこの条例からなくしているということは、児童館の機能を維持、拡充するなんて言えないんですよ。わかりますか、僕の言っていること。
◎児童青少年課長
何度もお話をすることになりますけれども、区としては、法的位置づけは児童厚生施設にするということは、先般御報告も申し上げたところでございます。その位置づけについては、区としてはそういうものだというふうな認識を持っているということです。それを今回こういう形で、条文の中で明確化できるというふうに判断してきたものです。一度そのような形でお話をしているものでございますので、現時点で杉並区が児童厚生施設という位置づけを変えるという判断をしているものではございません。
◆富田たく 委員
児童厚生施設としての指定は、児童館のときと同じだというふうに言っているんでしょうか。でも、今僕が言ったように、いつでもこれは区が変えられるんだということ、そのリスクがあるんだ、その可能性があるんだということを指摘せざるを得ないんです。
条例って、いろいろ書き込んでありますけれども、それぞれ意味があるんですよね。僕もこの4年間、5年間で、大変読みづらい条例からいろいろ法律から読みましたけれども、書いてあること、それを引用されていることを引っ張っていくと、そこの目的が明確にきちんと書かれているんですよ。
例えば、児童館ガイドラインというものが平成23年に出されました。これは区立施設再編整備計画で児童館が廃止になる前から出されていたものです。そこでは、「児童館運営の理念と目的」ということで、「『すべて国民は、児童が心身ともに健やかに生まれ、且つ、育成されるよう努めなければならない。』という児童福祉法の理念に基づき、それを地域社会の中で具現化する児童福祉施設である。」これは児童館のことを言っているんですね。「故に児童館はその運営理念を踏まえて、国及び地方公共団体や保護者をはじめとする地域の人々と共に子どもの育成に努めなければならない。」というふうに児童館に言っているわけです。それは、児童館以外の地域や国や地方公共団体についても言っているわけです。
要するに、こういった児童福祉法の理念というのが、今までの児童館には条例を通してしっかりと入れられていたことなわけです。こういったことが抜けてしまうのが本当にいいことなのかどうなのか、私は大変疑問に思うんですが、いかがでしょうか。
◎児童青少年課長
何度も同じ御答弁を申し上げますが、区としては児童厚生施設という認識を持っております。それを先般も御報告申し上げているところですし、今も御答弁しているところでございます。その考えは、今の段階でそれを変えようということを申し上げているわけではございません。
◆富田たく 委員
私、こういった区の職員の皆様から答弁をいただくときに、明確に条例にきちんと書いてあるんだとか、あとは、しっかりとこういう資料があるんだとかというふうにないと、最近大変不安になっているんですね。
さらに、この間の議事録をいろいろ調べてみたんですが、その議事録の中では──済みません、ちょっと議事録が見つからないけれども、当初、平成25年の9月素案や11月素案、区立施設再編整備計画の審議を議会でしている中で、児童館を廃止するんだという話が出ていましたから、児童厚生施設としてどうするんだという話をしたときに、区長は、児童厚生施設としての扱いにはしないんだというような話をずっとしていたわけですよ。にもかかわらず、条例上で児童厚生施設も入っていないのに、区としては児童厚生施設として認識しているんですなんていうふうに言うのは、私、どうやって信用すればいいのかなと思いまして。
◎児童青少年課長
過去のいきさつのことをおっしゃっておりますけれども、これも前に一度お話をしたことかと思いますけれども、児童館というふうな枠組みからは抜け出すということがあります。これは主たる利用者が変わるということが大きな違いですけれども。児童厚生施設というものを法条で言っているものは、「児童館等」でございます。実際には児童館と銘打たない児童厚生施設は、全国に津々浦々、多々あります。そうしたものと同様で、子育て支援の施設ということでございます。児童厚生施設という枠の中でどういうふうに行っていくかというのはあると思いますけれども、今回整備します子ども・子育てプラザは、先ほど御答弁申し上げたとおり、児童厚生施設が目的としている、子供に健全な遊びを与えて云々というところを超えて、子ども・子育て支援新制度に基づく事業をさらに付加して行っていこうということでございます。そうしたところを加味して、児童厚生施設の役割は持ちながらも、新たな取り組みもあわせて行っていく施設という認識で行っているというものでございます。
◆富田たく 委員
じゃ、なぜ条例上に児童厚生施設と書かないんですか。条例上に書かないと、私たち議会の知らないところで勝手に児童厚生施設じゃなくされちゃうんですよ。
持ってきた議事録がやっと出てきたんですけれども、平成25年決算特別委員会10月4日6号、これは今井委員の質問に対して、区長が、「あえて児童館という名称や児童福祉法上の児童厚生施設という枠組みから脱却をして、今委員のお話のようにやっていかなきゃならないというふうに思っているわけです。」と、こういうふうに枠組みから脱却してというような話をされていたり、あと、もう一つありましたね、平成26年第1回定例会、2月14日2号、これは当区議団のくすやま議員が代表質問したときですかね。質問は置いておいて、区長が、うちのくすやまの質問に対して、「仮称子どもセンターに関するお尋ねでありますが、新たに整備する仮称子どもセンターは、児童福祉法上の児童厚生施設として位置づける考えはございません。」というふうに言っているんですよ。
でも、きっとこの1年、2年の間に、プラザをつくる上でやっぱり児童厚生施設、必要だということで、位置づけとしては児童厚生施設にしていこうという話になったと思うんですけれども、でも、この計画の中でもここまでぶれているわけですよ。それが議会の中で議決も通らずに、その施設の位置づけがころころ変わってしまうような条例って、これは条例として僕は全然賛成できないですよ。いかがですか。
◎子ども家庭担当部長
先ほど来の答弁と同じことにはなりますけれども、あえて児童厚生施設の機能というだけではなくて、子育て支援という、子育て支援法に基づく部分というのも重くこのプラザの中でやっていこうというところなので、それこそ児童福祉施設の機能というそこの範囲を脱却して、支援のほうも強化していくという意味なので、そういった意味で、あえて児童厚生施設というのを明記するのではなくて、第1条の全体の目的というところで記載して、全体をやっていくというつくりにしているということであって、皆さんの知らないところで勝手に児童厚生施設という意味合いを変えてしまうというようなことは全く考えているところではございません。
◆富田たく 委員
そもそも対象となる世代、メーンとなる世代が変わったからという言い方をされているんですが、だったら、わざわざ児童館を廃止してプラザにする必要性はないんですよ。児童館というのは、ゼロから18歳までの子供たちを対象にした施設ですから。そして、児童厚生施設、児童館というのは、子育て支援をする拠点として今まで位置づけられてきたところなんですよ。そこで子育て支援法に書いてある事業をやってはいけないって、どこか書いてありますか、法律に。
◎児童青少年課長
事業そのものについては、常設型で行うとか、そういうことであればいろいろなところでできるということになります。児童厚生施設だからといってできないというわけではありません。それはそのとおりです。
ただ、今まで杉並区が設置してきた児童館というのは、主な対象者は小学生ということにしてきました。その上で、今回主な対象者を乳幼児の親子ということに絞り込んでいくときに、また改めてそうした子育て支援の事業をさらに充実して行っていこうということをしたときに、児童館という名称をそのままするのかということにはなると思います。その上で、今回は子ども・子育てプラザという形でしっかりと形を変えて、それで運営していこうということで今回の御提案でございます。
◆富田たく 委員
それで、結局でき上がった条例は、いつの間にか児童厚生施設という指定が幾らでも外せるという施設になって、さらには、子供たちの居場所というのは41館あったのに、それが14館になってしまい、それも小中学生の居場所は減少していくということですよね。本当にこんなこと、やっていいんですか。
さらに、児童館としては、杉並区も大変重要な位置づけをしておりました。子供たちが遊びを通してどのように健全に育成していくかというのを、杉並区はしっかりと自前の条例で指定していたんです。先ほど挙げた杉並区立児童青少年センター及び児童館条例、この中で、事業を定めた第2条の2項で、児童館は、「前条の目的を達成するため、次に掲げる事業を行う。」ということで、「施設の利用に関すること。」と、あとは「前項第4号から第10号までに掲げる事業」ということで、その4号から10号というのが、「児童の福祉活動に関すること。」「児童の科学への興味及び知識の普及向上に関すること。」「図書の閲覧及び絵画等の展示に関すること。」「各種講座の開設及びクラブ活動の指導奨励に関すること。」「児童の自主活動及び自主サークル形成の支援に関すること。」「健全な遊びを通して、児童の集団的及び個別的な指導に関すること。」「児童に係る総合相談及び地域における子育て支援の組織化に関すること。」と、七つの具体的な事業を児童館はやるんだ、青少年センターでもやるんだというふうに杉並区は挙げているわけですね。
こういうことをやってこそ杉並区での子供たちの健全な育成ができるんだ、それを区はやっていかなきゃいけないんだよと条例上で書いてあるんです。児童館の機能の維持、拡充で、ここはどのような扱いになるんでしょうか。
◎児童青少年課長
今回の条文の中で、「子どもに健全な遊びを与えて、」云々というふうに書いてあります。これがまさに児童厚生施設だというふうに申し上げたところです。さまざま今、個別列挙のものがありますが、それを限定列挙ではなく、さらに幅広にできるようにということで今回こういう条文にしているので、特段、児童館の機能を狭めようとか、そういうふうな考え方で申し上げているものではありません。
◆富田たく 委員
気持ちの話と条例の話って違うんですよ。さらに、今おっしゃっていたのは、プラザ条例の中で、事業の(4)、「子どもに健全な遊びを与えて、その健康を増進し、又は情操を豊かにするための事業」、これで児童厚生施設としての扱いにするんだと言っていますけれども、それができたとしても、今まで児童館条例で定められていた事業、先ほど挙げた7個の事業、それは杉並区の条例で具体的にこれをやっていこう、その中で子供たちの遊びを通して育ちをしっかりと支えていこう、区が責任を持とうとつくられた事業なんですよ。その児童館の目的を達成するために掲げる事業を行うという、行うと言われている事業がどこにもひもづかなくなっちゃうんですよ、この条例だと。これ、どうするんですか。本当にこれで維持、拡充できていますなんて、僕はそんなこと言われたって全く信用できませんよ。
◎区長
さっきからいろいろ議論を聞いていますと、もう少し大きな流れをきちっと捉えるということが必要なんじゃないかというふうに思います。一つ一つの法令のその一条一条、条文を捉えて、ああだこうだと……(発言する者あり)いやいや、そうじゃない。もっと大きな流れをきちっと捉えた上で、私たちは地方自治体として自治権を持っているわけだから、その自治権の中で、区民福祉の向上に照らして有効であるとする施策を進めていく。その上で、国の法律、何度も過去にも申し上げてきましたけれども、違法でない限りは、あらゆるそういった法令の解釈というのは実態に合わせて、時代時代で変わってくるということもあるわけで、そういうことも踏まえて、大きな流れで施策を捉えていくということが大事だと思います。
そもそも児童館という施設が今まで果たしてきた役割は大きかったと思います。しかし、現段階でやはり児童館もいろいろ課題があるんじゃないかという議論があって、例えば、今富田委員が言われたように高校生も受け入れる。しかし、高校生の利用人数というのは実際には極めて少ないということも事実。全体の需要からすれば、1館で全部を行っていくということに必ずしもこだわる必要はないんじゃないか。学童は学童、小学生の居場所は小学生の居場所、乳幼児は乳幼児と。高校生、中学生も入れてもいいかもしれないけれども、そういった世代の居場所は別のあり方があってもいいんじゃないかということが課題の意識としてあって、現場でもいろいろ検討した中で、こういう形で子どもプラザというのをつくりましょうと、こういうふうになってきたのが一つの大きな流れだと思うんですね。
だから、そこのところをきちっと見て、施策の事業の内容をいかに充実させていくかということを考えていけばいいわけで、一つ一つの条文を捉えて、さもそれが何か大きな事業の内容に支障になるような言い方をさっきからされているけれども、そういうものでもないだろうと。
それから、恣意的に私が何でもできるみたいな、どこかの独裁国家の誰かじゃないんだから、そんなことはできやしないですよ。そのために、恣意的にかどうかは別に、ニーズをきちっと捉え切れないで施策の見直しの必要があるというような場面があれば、それこそあなたたち議会が議員の立場で声を聞いてきて、我々に提案をするということは議会の立場としてもあるわけだから。そして車の両輪として、いいものを区民に対してサービス提供していくということでやっていけばいいわけで、そういう大きな流れをきちっと踏まえて議論をしていただきたいなと思います。木を見て森を見ず、森を見て山を見ずみたいな細かい議論をしていたって問題は前へ進まないというふうに私は思います。
○安斉あきら 委員長
質疑が始まってからもう40分以上やられているので。内容を聞いていますと、富田委員の解釈と理事者側の解釈が異なるような話で、これはあっても結構なんですが、できるだけ簡潔に、平行線をたどらない形でお願いできますか。
◆富田たく 委員
今、区長からいろいろありましたし、委員長からも解釈が違うんじゃないかというお話がありましたが、これは条例のつくり方の問題を話しているんですよ。条例に明記しなきゃいけないことはきちんと明記しなきゃいけないんだという、そういうことを話しております。
さらに、区長からは、木を見て森を見ず、もっと大きな流れを見たらどうだというふうなお話をされましたけれども、大きい流れを見て、児童館が今後どんどんどんどん削減されて、子供たちの居場所がなくなって、子供たちの健全な育ちが保障できない。そうすると、杉並区はどんな区になっちゃうんだろうという大きな視点を私は持っているつもりです。
さらに、児童福祉法という子供たちのためにつくられた、国や地方自治体が守らなければいけないルールというものをしっかりと守って、さらにその理念をしっかりと杉並区でも子供たちに提供していきたい、そういう思いから今お話をしているんですね。区長はどうやら、違法でない限り国の法令はどうやって解釈してもいいんだという、どうも規制を緩和して何か自分のやりたいことをやろう、やろうというふうにしているようですが、僕は違っていまして、国がつくった法律の理念というのをどうやって実現するかというために僕らはいるのかという話をしているんですよ。僕にとっては、これはすごく大きな話だと思うんですけどね。特に区長からの見解は求めません。
最後、私は、この児童館ガイドライン、以前も議会でも取り上げられておりましたが、それに携わった方々のお話を紹介していきたいなと思います。
○安斉あきら 委員長
簡潔にお願いします。
◆富田たく 委員
「『児童館ガイドライン』を読み解くために」ということで、解説のレポートがインターネット上でつくられておりまして、更新日は2011年11月1日。執筆者は阿南健太郎さん、財団法人児童健全育成推進財団広報部・業務部課長。その中で、「児童館は昭和40~50年代に多く建設が進みました。そのため、開館から30年以上経過する施設もあり、耐震性への不安や、老朽化が否めません。自治体の財政難も影響し、立て替えが容易に進むことなく、閉館に追い込まれているところも少なからずあります。また必ず設置することが求められている施設ではないため、設置箇所には不均衡があります。」「児童福祉法の理念を具現化するために生まれた児童館は、このまま消えて無くなっていくのを待つだけなのでしょうか。いえ、今こそ必要とされる施設として、価値を高めていく動きが期待されていました。当財団では有識者と3か年かけて研究活動を行い、児童館の機能・役割を整理し、遊びを通した健全育成活動の意義や、児童厚生員が遊びに関わることの意味を検討してきました。その過程から、……(国としてのガイドライン)を希求するに至りました。」と。そして、この方々がさまざまなロビー活動などを行う中で、このガイドラインがつくられました。
ここで、児童館運営の理念と目的の部分が大変重要だというふうに書かれています。児童福祉法の理念を再度ひもとき、児童福祉施設であることを再確認しながら、目的には、遊び及び生活の援助、子育て支援が明記され、児童館の実態にあった表現が取り入れられていると。さらに児童館の役割として、児童厚生施設であっても、日常の生活の支援から子育て家庭への支援、地域組織活動の育成、こういったことができるんだと言われているんです。
なので、わざわざプラザという形にしなくても、児童館を廃止しなくても、子育て支援の拠点として今までやってこれていたし、そこの機能をしっかりと拡充するんだということを、児童館を残しつつやらなければいけない状況なんですよ。にもかかわらず、児童館は少なくします、子供たちの居場所は学校に押しつけます、そんなことをやっていったら本当に大変なことになってしまいます。
○安斉あきら 委員長
質問をお願いします。
◆富田たく 委員
この点、どのように認識されていますか。
◎区長
僕が何でも勝手に解釈をして、それで規制緩和をやればいいということですねと言いましたね。そんなことは私は言ってないでしょう。そんなことは言ってないよね。そんなことは言ってないんだよ。私は、区民福祉の向上に照らして有効な施策を進めていくのであるならば、時代時代の変化の中で、法律というものの運用、解釈というのは一定程度柔軟に行っていくということはあってもいいんじゃないかということは言ったけれども、何でもかんでも規制緩和をしたらいいなんていうことを私が言っているなんていうことはないからね。謝罪と撤回を要求しますよ。そういう、人の言ったことをゆがめて公的な発言をするということは、謝罪と撤回を要求するよ。
〔発言する者あり〕
○安斉あきら 委員長
静かにしてください。
◆富田たく 委員
私、謝罪するつもりは今のところありません。というのも、何も区長のことを疑って、今のこの条例の、児童厚生施設が書かれていない、これが議会に問われなくても幾らでも変えられるんだというのを、今の田中良区長を疑って言っているわけではないんです。田中区長が今後何期も区長をやられて定年を迎えて──定年はないのか、引退された後、別の区長になったとき、この条例、児童厚生施設として条例上の縛りがなかったら、その人が勝手に変えてしまうかもしれない、そういう不安があるんです。
僕は、個人的に田中区長が好きか嫌いかとか、そういう話をしているんじゃないんです。個人的に田中区長の考え方に疑いを持っているわけではないんです。条例のつくりとして、今まで児童館というのは児童福祉法に基づく児童厚生施設でした。そういうふうな条例の規定があって、その規定があるから、さまざまな施設の基準や子供たちに対する重要なケア、子育ての支援ができていたんです。それがなくなってしまうのは大変リスクが高い。条例としてのつくり、ここに危険を感じるというふうに僕は思っているだけです。
ただ、議論の中で、田中区長の気持ちを何か害するような言い方になってしまったとしたら、それは私の意図するところではありませんので、その点はおわびしたいと思います。
~他の委員の質疑(中略)~
○安斉あきら 委員長
かなりの質疑、やりとりがありましたけれども、これで質疑を終結してもよろしいでしょうか。
〔「はい」と呼ぶ者あり〕
○安斉あきら 委員長
それでは、質疑を終結いたします。
これより意見の開陳を求めます。
意見のある方は挙手をお願いいたします。
~他の委員の意見開陳(中略)~
◆富田たく 委員
議案第7号杉並区立子ども・子育てプラザ条例について、日本共産党杉並区議団の意見を申し述べます。
この議案は、杉並区区立施設再編整備計画において計画されている児童館の全館廃止を目的としてつくられた条例案です。2013年、平成25年9月の計画素案の中で突如として出された「児童館としての施設は廃止」という言葉で杉並区は震撼しました。その後、保護者や関係者の大きな反対の声で、区は、「廃止」という言葉を「児童館という施設にとらわれることなく」という、何とも意味のわからない文言に修正しましたが、この間の議会の質疑などで、児童館全館廃止ということは、誰の目にも明らかとなっているところです。
また、区は、児童館の機能を維持、拡充して、小学校や子ども・子育てプラザなどで継承するのだと言いますが、本日の質疑でも明らかになったように、その具体的な内容はいまだ明確になっておりません。
また、区教育委員会が、これも区民の声を全く無視して強引に進めている施設一体型小中一貫教育校との整合性も合わず、今後、小中一貫校での子供たちの放課後の居場所事業が、部活との衝突により、保障できるかどうかが明らかではありません。
この間、住民、区民から大きな反対の声が上がっている施策、今回の児童館の廃止だけでなく、あんさんぶる荻窪を投げ出す財産交換や、教育予算削減を目的とした学校統廃合である施設一体型小中一貫教育校の推進など、他の施策との整合性も考えずに、思いつきだけで進めてきたようにしか受け取ることができません。そのような中で、この議案の位置づけは、児童館全館廃止の道の入り口とも言える条例です。
子ども・子育てプラザの法的位置づけとして、児童福祉法における児童厚生施設の記載もありません。児童館条例で明確に児童厚生施設としての規定がありましたが、これは都へ申請するとのことですが、条例上で児童厚生施設と規定することこそ意味があると私は考えております。条例上規定していなければ、議会での議決が必要なくなるため、行政側の恣意的な判断でいつでも児童厚生施設としての指定を外すことができてしまいます。これは条例として大変重要な問題だということを指摘しておきます。
また、同様に、児童青少年センター及び児童館条例で規定されている児童館の事業が、プラザ条例の中で規定されていません。さきと同様、プラザ条例の第3条4号の事業で書かれている「子どもに健全な遊びを与えて、その健康を増進し、又は情操を豊かにするための事業」という言葉だけで、児童館条例で定められていた児童館の七つの事業などが本当に担保されるのかというのが全く明確ではありません。
このような条例にもかかわらず、児童館の機能を維持、拡充するためのものだという区の説明は、全く私には理解できません。施設再編整備計画における児童館再編は事実上の児童館の廃止であり、それは杉並区の子供の健全な育成に大きな影を落とすものであります。
以上の理由により、本議案には反対いたします。
~他の委員の意見開陳(中略)~
○安斉あきら 委員長
ほかに意見はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○安斉あきら 委員長
なければ、意見の開陳を終結いたします。
それでは、採決いたします。
議案第7号杉並区立子ども・子育てプラザ条例について、原案に賛成の方の挙手を求めます。
〔賛成者挙手〕
○安斉あきら 委員長
挙手多数であります。よって、原案を可決すべきものと決定をいたしました。
議案審査の途中ですが、ここで1時20分まで休憩といたします。
~議事録抜粋終了~
◆議案第7号『杉並区立子ども・子育てプラザ条例』(児童館廃止条例)に対する各委員の賛否
【賛成】
杉並区議会自由民主党 / 大泉やすまさ
杉並区議会自由民主党 / 井口かづ子
杉並区議会公明党 / 川原口宏之
杉並区議会公明党 / 横山えみ
区民フォーラムみらい / 増田裕一
いのち・平和クラブ / 新城せつこ
自民・無所属・維新クラブ / 木村ようこ
【反対】
日本共産党杉並区議団 / 山田耕平
日本共産党杉並区議団 / 富田たく