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【議事録】富田たくの質疑 2014年3月4日 杉並区議会第1回定例会 予算特別委員会 

議事録

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質疑内容 :  区立施設再編整備計画案について、主に杉並区の総人口及び年齢別人口割合の推移のグラフについて
質問者 : 日本共産党杉並区議団 富田たく

2014年3月4日に行われた杉並区議会・予算特別委員会で僕が行った質疑の議事録をアップします。(議事録については時系列で管理を行うため、このエントリーの更新日は質問当日の日付にしております。更新日2015年10月16日)
※この議事録は富田たくの質疑を抜粋したものです。当日の全議事録はコチラから。
※動画での視聴はコチラから。
~議事録抜粋開始~

平成26年予算特別委員会-03月04日-03号

○吉田あい 委員長
日本共産党杉並区議団の質疑に入ります。
それでは、富田委員、質問項目をお知らせください。
◆富田たく 委員
区立施設再編整備計画案について、主に杉並区の総人口及び年齢別人口割合の推移のグラフについてです。使用する資料は、施設再編整備計画の案と、あとは住宅マスタープラン、環境基本計画、介護保険運営協議会で使用された高齢者の人口推計、杉並区の新しい学校づくり推進基本方針等々。あと、委員長、すみません、グラフをわかりやすくボードにしましたので、使用させていただきます。
質問の冒頭で、一言、私、日本共産党杉並区議団を代表しまして、予算特別委員会の質疑にかかわって、委員長へ要望があります。
当区議会の請願・陳情の審査率の低さは大きな問題であり、区民の請願権が阻害されている状況であると考えます。今委員会には、現在審議されている議案にかかわる陳情が付託されています。今委員会で審査されない場合、みなし採決されるとのことですが、やはりしっかりと審議をするためにも、陳情者の趣旨説明などをすべきと考えます。委員長のご検討をお願いいたします。
○吉田あい 委員長
お話は伺いました。正副委員長で話し合って考えたいと思います。
◆富田たく 委員
ありがとうございます。
それでは、質問に移ります。
施設再編整備計画についてお聞きします。
今回の計画では、児童館、ゆうゆう館、区民事務所会議室、あんさんぶる荻窪、科学館など、区立施設の削減が盛り込まれています。実際この削減が必要となる理由を改めて教えてください。
◎施設再編・整備担当課長
施設の利用状況等を鑑みまして、今の時代の区民のニーズに比べまして、施設の利用状況等を比べますと、なかなか現状に合っていない、需要と供給のバランスについても、なかなかバランスがとれていないような状況があるということで、将来に向けて見直しが必要と考えて、今回の再編に取り組むものでございます。
◆富田たく 委員
ぼやっとした答弁でしたが、実際には、少子高齢化と人口減少社会の到来で社会保障関係の経費がさらなる増加をし、区民税の収入減少と、施設の維持、更新に多くの予算を向けることは現実的に困難と、区立施設再編整備計画案で書かれているんですけれども、こういった区税収入の減少というのが、再編整備計画の63ページ、「今後30年間の財政収支の傾向分析」としてグラフで載っております。実際にこの財政分析の傾向が施設削減の必要性の根拠となっているというふうに考えておりますが、この傾向分析は人口推計に基づいて試算したとあるんですが、人口推計とは、どの人口推計でしょうか。
(リンク資料:杉並区立施設再編整備計画(第一期)・一次プラン
◎企画課長
同じく再編整備計画に掲載、引用してございます国立社会保障・人口問題研究所の推計値でございます。
◆富田たく 委員
ボードを使用します。
こちらの人口推計のグラフということですね。これが施設再編、主に施設のスリム化、効率化が必要だとする部分の根拠であるということですが、このグラフの少子高齢化の進みぐあい、結構すごいことになっておりますが、平成25年から、グラフの最終年の推計だとどのように変化するか、お答えください。

◎企画課長
ごめんなさい、どこからどこまでということで。
◆富田たく 委員
平成25年からです。見ればわかるでしょう。
◎企画課長
再編整備計画の4ページに記載のとおりでございますが、読み上げるということですか。年少人口だけでよろしいでしょうか。
◆富田たく 委員
高齢者人口も。
◎企画課長
割合でよろしいですか。
◆富田たく 委員
はい。
◎企画課長
では、年少人口から順を追って、
25年が9.9%、32年8.4%、以下5年ごとに、8.0、7.2、6.8、6.5。
生産年齢人口については、同じく平成25年から、69.8、63.4、62.3、60.4、57.6、53.9。
高齢者人口については、同じく25年から、20.3、28.2、29.8、32.4、35.6、39.6ということでございます。
◆富田たく 委員
年少人口が約3分の2に減少、高齢者人口はその割合が約2倍となる、すごい高齢化が起きるという予測になっております。
杉並区の今後を大きく左右する施設再編整備計画の根拠としてこのデータが使用されているということは、現在、この人口推計が区の正式な見解ということでよろしいでしょうか。
◎企画課長
何度もご説明をしておりますけれども、区の正式な見解ということではなく、国立社会保障・人口問題研究所が平成25年3月に出した推計でございます。再編整備計画は30年、またそれ以降も長期的に見据えた計画でございますので、最新の、しかも一番長期の、公的機関が出した推計を引用したということでございます。
◆富田たく 委員
このグラフ、僕、すごく違和感があるんですけれども、どこだかわかりますか。
◎企画課長
わかりません。
◆富田たく 委員
実はこのグラフ、横軸が5年ごとの年数になっているんですけれども、途中の平成25年と32年の部分だけ、5年ごとではなく7年ごとになっているんです。何でこういうふうになっているんでしょうか。
◎企画課長
委員が考えるほど深い意味はございませんで、現時点、一番最新のデータが平成25年でございます。社人研の推計は5年ごと、国勢調査に合わせてやってございますので、25年の次に27年があるわけですけれども、そこを出しても別に何の差しさわりもないんですけれども、25年の実績値と27年の推計値が余りにも近過ぎるということで、次に32年を載せたというだけの話でございます。
◆富田たく 委員
27年のデータを入れていないということなんですけれども、さて、施設再編の計画で使用されているこのグラフ、先ほども答弁にありましたが、国立社会保障・人口問題研究所、以下、社人研と略しますが、2013年に社人研が発表したデータです。実際にこのグラフでは平成32年から、先ほどおっしゃったように推計値が使われておりまして、平成25年までは杉並区の統計資料で実績値ということになっております。
この社人研の人口推計ですが、実は2010年から5年ごとの推計として発表されているんですけれども、その辺はご存じでしょうか。
◎企画課長
先ほど申し上げたように、平成22年、2010年の国勢調査をもとに、基準年として推計されておりますので、もちろん存じ上げております。
◆富田たく 委員
では、社人研が発表した人口推計の一番最初となる2010年の人口推計の3区分の割合と、実際に杉並区の統計資料で2010年の4月1日時点での3区分の割合と比較すると、どうなっているでしょうか。
◎企画課長
2010年、社人研の3区分、年少人口8.1%、生産年齢人口15歳から64歳が69.3%、65歳以上人口が22.6%ということになります。
それから、平成22年の4月1日の住基データに基づく同じ割合としては、順を追って、9.7、70.7、19.6という割合になってございます。
◆富田たく 委員
人口推計の最初の年の値が、実績値と大きな乖離が出てきます。
さらに、社人研の2015年、来年の推計値ですが、平成27年、先ほど除外したと言っていた部分ですね、それのデータと、直近、杉並区の2014年の2月の実績と同じように比べてみてください。
◎企画課長
社人研の2015年、平成27年の推計値は、順を追って、8.4%、65.4%、20.7%です。
直近の、2月1日まではちょっとデータの集計が間に合ってございませんので、1月1日で紹介させていただきますと、平成26年1月1日、同じ値が、9.96%、69.4%、20.64%ということになってございます。
◆富田たく 委員
一部答弁で間違いがあったんですけれども、社人研の2015年の65歳以上のデータが20.幾つとなっていたんですが、26.幾つだと思うんです。間違っているんですが、そこはどうですか。
○吉田あい 委員長
課長、どうですか。
◎企画課長
もしかしたら計算に間違いがあるかもしれませんので、後ほど確認させていただきます。
◆富田たく 委員
私もインターネットで社人研の生データを拾いまして、65歳以上が26.3%。これは、2014年の杉並区の統計と比べると3万人も高齢化している。さらには、年少人口でいうと8.4%で、4万5,000人まで少なくなっているということなので、杉並区の2014年、ことしのデータと比べて8,500人も年少人口が減少している。あと1年でこれだけ高齢化が進むという推計になっているんですけれども、この点についてどう感じますか。
◎企画課長
まず前提として、最初の基準年の数字も違いましたが、それは国勢調査によるものと、住基人口及び外国人登録者の人口によるものというような違いがございます。
それから、あくまでもこれにつきましては推計値でございます。社人研のほうは、そのようなデータをもとにした30年の推計ということですので、そもそもそれを比べて差があるからどうだということを問題にすること自体が、余り意味がないのかなというふうに私ども思ってございます。
再編整備計画でこのデータを載せたことの意味というのは、30年後の数字を当てにいっているわけでもなく、これだけ減るからこれだけ施設を減らすという根拠にしているわけでもなく、今後、超高齢社会が訪れて人口も減ってくる、そういう中で、それに備えた手だてとして、区立施設の再編整備が不可欠だということをおわかりいただくために載せたものでございますので、その点、ご理解いただきますようにお願い申し上げます。
◆富田たく 委員
問題がないというふうな考え、ちょっとびっくりしましたが。
以上のように、社人研の2010年、2015年の人口推計は、実際の杉並区の人口統計の実績値よりも大幅に高齢化した数値となっています。推計するスタート時点から現状と乖離している。施設再編で使用されている少子化のグラフは、前半を人口実績、そして後半を社人研の推計値とするようになっているんですけれども、この大きな乖離が、実際に平成27年のデータを入れると乖離がよくわかってしまうんですね。なので、間隔を一部分だけ7年間にして、この乖離をわからなくさせる、そういった状況だと推測されます。
さらに、こちら、基本構想などで使用された杉並区独自の推計値です。社人研の推計と少子高齢化の速度が全然違います。経営懇談会で使用された区の独自推計、平成42年までの人口推計をしております。この人口推計と社人研、近い年だと2030年、平成32年、この年齢別の3区分の割合はどのように違っているでしょうか、お答えください。

◎企画課長
余り意味がないと思いますけれども、ご質問ですのでお答えいたしますと、区のほうが9.7%、69.5%、20.8%、社人研が8.4、63.4、28.2ということだと思います。
◆富田たく 委員
グラフ、目で見ていただいて、すぐわかるんですけれども、少子高齢化のスピードが全然違うんですね。杉並区の独自推計では、少子化はすごく緩やかで、年少人口と労働人口、高齢者人口の割合に大きな変化はないんです。
では、杉並区の他の資料ではどちらの人口推計を使用しているでしょうか。ことし2月発表された杉並区の住宅マスタープランではどうでしょうか。住宅マスタープランの9ページの人口推計、これはどちらを使用しているでしょうか。
◎住宅課長
住宅マスタープランにつきましては、総合計画の最終年度に合わせて策定しておりますので、総合計画の人口推計を使用しております。
◆富田たく 委員
それでは、昨年11月に策定された環境基本計画の人口将来予測はどうなっているでしょうか。基本計画の84ページ、どうでしょう。
◎環境課長
環境基本計画についても、総合計画の人口推計を利用してございます。
◆富田たく 委員
さらに、高齢化の傾向がそのまま政策を左右することになる介護保険関係ではどういった資料を使用しているか。杉並区の高齢化の進展の予測として、2035年までの高齢者人口の推計、推移を介護保険運営協議会や保健福祉委員会に提出していますが、2035年の高齢者人口、何人になっていますかね。
◎高齢者施策課長
そちらで使用したものでございますが、やはり基本構想の推計指標を使いまして、期間を延ばして出したものでございます。
2035年の高齢者人口は12万5,474人でございます。ただし、これに関しましては、あくまでも地域包括ケアシステムの構築を考えるに当たり、参考にするために、傾向を知るために推計を出したものでございます。
◆富田たく 委員
社人研の推計では、同年の65歳以上の人口が17万人を超えています。杉並区の独自推計、先ほど使われた人口では12万人と、5万人の差は本当に大きいんですね。
以上のように、施設再編整備計画案以外では、総合計画のときに使用した杉並区独自の人口推計が使用されています。社人研では高齢化が2倍になると推計していますが、区の推計では、20年たっても大幅と言えるほど高齢化は進まない、少子高齢化は進まない。なぜこれほどの違いが出ているのに、杉並区では人口推計を2通りも使い分けているのでしょうか。
ちなみに、区内全域で学校統廃合を今後進めていくことを明確にした杉並区小中学校新しい学校づくり推進基本方針では、どちらの人口推計を載せていますか。
○吉田あい 委員長
12時を過ぎようとしていますが、この際、質疑を続行いたします。ご了承願います。
◎学校支援課長
私どもは、施設再編整備計画と同じ国立社会保障・人口問題研究所のデータを使っております。(発言する者あり)
◆富田たく 委員
後ろから、削りたいときだけ社人研のデータを使うのかというような話がありましたが、削除するときだけは社人研データを使用し、殊さら少子高齢化で区税収入が減るからしようがないんだと言う。ほかでは杉並区独自の推計を使う。これは大きな問題です。2つのデータを使い分けて、区民を欺き、脅迫する、こんなやり方は許されるわけではありません。行政としての良心が失われていると強く指摘するものです。
そもそも、総合計画や住宅マスタープランなどに使用された杉並区独自の推計、これは平成19年発表の社人研の人口推計を使用したと経営懇談会の資料では書かれています。実際にそうなんでしょうか。
◎企画課長
繰り返しになるんですけれども、それはそうかもしれませんが、委員が考えるほど深い意味は本当にないんですね。ちょっと考え過ぎではないかというふうに思います。使い分けをして欺くとかというお話をされていますけれども、そのデータをもって、先ほども申し上げましたが、学校を何校統廃合するとか、施設を幾つ減らすとか、そういうことに関連づけているわけではございません。そういうことをしているのであれば、その細かい数字、割合というのは問題だと思いますけれども、そういうことではなく、将来的に人口が減っていく、高齢化が進んでいく、しかも区民のニーズが変化している、ですから、将来に向けた区民福祉の向上のために、今、再編整備には取り組まなければいけないということをおわかりいただくために引用したものですので、そこのところ、繰り返しになりますけれども、誤解がないように、もう少しシンプルに考えていただければというふうに思います。
◆富田たく 委員
委員長、質問に全然答えていないんですが。
○吉田あい 委員長
答えていると思いますよ。
◆富田たく 委員
今の質問は、総合計画で使用された元データは、社人研のデータを使用していると書かれているんですけれども、そうですかというふうに聞いたんですけれども、どうですか。
◎企画課長
総合計画で出した推計は、平成24年3月の総合計画ですから、社人研が発表した平成25年3月のデータが使えるわけもないわけでございまして、そこは全く見てございません。今後の推計に当たっては、当然、後から出された社人研の推計、また東京都の独自の推計もございますので、それも参考にして更新をかけていきたいというふうに思ってございます。
◆富田たく 委員
総合計画でつくられた人口推計の元ネタはどこから持ってきたんですかという質問です。
◎企画課長
別にネタがあるわけではなくて、それは過去の住基人口ですね、それを見て、その変化率、人口の移動率、合計特殊出生率、そういうものを加味して推計したものでございます。
◆富田たく 委員
このデータ、経営懇談会のほうに提出されたときに、「推計方法について」という参考資料がありまして、自然動態について、「『都道府県の将来推計人口(平成19年5月推計)』(国立社会保障・人口問題研究所)における東京都の予測」を、杉並区資料によって補正してつくったというふうに書かれております。
もともと総合計画で使用されているデータ自体、社会保障・人口問題研究所がつくったデータを使っておりました。そのデータ自体も、高齢化は2倍になると推計されておりました。しかし、区の推計では、20年たっても大幅と言えるほど進まない。なぜこういう違いになったかというと、杉並区独自の補正を加えていたわけです。これは社会保障・人口問題研究所のデータを、そのまま使うと杉並区と乖離があるからということなんですけれども、その辺はご存じなかったんですか。
◎企画課長
社人研の推計、直近では日本全国の推計が平成24年1月、そしてそれに基づく地域別の推計が25年3月、これが最新の推計でございます。24年1月に出された全国の推計値で、かなり人口が減っていくという傾向が示されて、人口減少社会ということがかなり社会的に報道されるようになったというふうに認識してございます。その前の状況とやはり歴年で変わってきた、そういう状況を反映して今後はやっていく必要があるというふうに考えてございます。
◆富田たく 委員
答弁が大分間違っているんですけれども、そもそも平成19年発表の社会保障・人口問題研究所の推計を使用しておりました。その中身も、平成19年発表で社会保障・人口問題研究所の推計では、2035年の高齢者の割合が、杉並区では33.1%、東京都全体でも33.7%と、杉並区独自の推計値とは約1.5倍以上高齢化している、そういったデータがあったんですけれども、それを杉並区はしっかりと補正して、今まで総合計画や他の資料に使っていたわけです。こういった補正を行わず、杉並区の現状と乖離した社人研の人口推計をそのまま施設再編整備計画案で使用している。これは区独自の補正を行うと、区立施設削減の根拠となる区税収入の大幅な減少が説明できなくなってしまうためです。
以上のことにより、高齢化の大幅な進展による区税収入の減少を理由にした区立施設再編整備計画について、何の道理もないことを指摘して、私の質問を終了いたします。
○吉田あい 委員長
日本共産党杉並区議団の質疑の途中ですが、ここで1時10分まで休憩いたします。