JR阿佐ヶ谷駅での視覚障害者の死亡事故を受けてホームドア早期設置を緊急要望(区政報告ニュース203号)
◆速やかにホームドア設置を
7月26日にJR阿佐ヶ谷駅で視覚障害者の男性がホームから転落し総武線にひかれ亡くなるという、痛ましい事故が発生しました。
区内のJR駅はホームドアの設置がなく、視覚障害者の転落の危険性は従前から指摘されていました。私も議会質疑でホームドアの設置や点字ブロックの設置改善などを取り上げ、転落防止策の推進を求めてきましたが、結果的に死亡事故が発生してしまい大変残念でなりません。
この事故を受け、日本共産党杉並区議団は8月11日、原田あきら都議会議員とともに、東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)東京支社に対し、「杉並区内JR駅へのホームドア設置を求める緊急要望」を行ないました。申し入れには上保まさたけ前区議も同席しました。
・
↑JR東日本東京支社へ申し入れ。(左から上保まさたけ前区議、野垣あきこ区議、原田あきら都議、私・富田たく)
・
◆申し入れ内容
1.早急に区内4駅のホームドア整備計画を策定し、速やかに設置すること。
2.ホーム中央部に誘導用点字ブロックを設置するなど、視覚障害者の転落防止のためにあらゆる手段をとること。
3.視覚障害者団体などと共に駅施設の危険箇所を視察し、または聞き取りを行い、危険な箇所を改善すること。
4.ホームドアが設置されるまで、転落防止など安全確保のための誘導員等を配置すること。
・
◆2032年設置では遅すぎる!!具体的な計画も未だ示せず
申し入れにはJR東京支社総務部(以下JR)が対応し、2032年までに首都圏を中心とした主要駅(杉並区内4駅を含む)にホームドアを設置する予定であることが示されました。
しかし、具体的な計画は未だに策定されていないため、区内のJR4駅についてもホームドア設置がいつになるのか不明なままです。
党区議団は、2032年の設置を少しでも前倒しし、転落事故防止対策を早急に進めるよう強く求めました。
↑JR田端駅のホームドア
・
↑赤色の蛍光ライン(CPライン)が引かれた阿佐ヶ谷駅ホーム
・
◆全てのホームで安全対策を
事故が発生したJR阿佐ヶ谷駅では、数年前から駅舎や高架下の再開発が行われています。
鉄道駅でのホーム転落事故の危険性は以前から指摘されており、早急な転落防止対策が求められていましたが、抜本的な対策は打たれず、逆に駅敷地内の商業施設向けスペースの建て替えなどが行われていました。
結果的に、テナント収入を目的にした再開発に多くの予算を費やし、安全対策が後回しにされていたというのが実態ではないでしょうか。
今回の事故を受け、阿佐ヶ谷駅に警備員の配置とホーム先端を蛍光ラインで着色する対応を行ったとJRはいいますが、具体的に確認すると、対応されたのは死亡事故が発生した1、2番線ホームのみ。快速などが猛スピードで通過する3、4番線や他の駅では追加対策は行わないことがわかりました。
転落事故の危険性は、どのホームも変わりません。死亡事故が発生したホームだけしか追加の安全対策を行わないのは問題です。党区議団は、他の駅やホームでも警備員の配置等の対策を早急にとるよう求めました。
・
↑階段からホームの端へ誘導するように設置された点字ブロック(荻窪駅)
・
◆点字ブロックがホームの端に誘導する問題の改善を
視覚障害者にとって点字ブロックは安全に移動するためには必要です。JRなど鉄道駅ではホームの端を知らせる警告用の点字ブロックが設置されていますが、ホーム上を移動するための誘導用の点字ブロックは殆ど設置されていません。
そのため視覚障害者がホームを移動する際、わざわざホーム端に設置された点字ブロックの上を歩くほかなく、常に転落の危険が付きまといます。
ある視覚障害者の方からは「日々の移動が命懸けで、駅ホームではいつも崖っぷちを歩いているようだ」とおっしゃっていました。
こうした声を聞き、私も2016年頃から議会で取り上げ、警告用の点字ブロックだけでなく誘導用の点字ブロックをホーム中央に設置するよう求めてきましたが、結果的に改善されずに死亡事故が発生してしまい、大変悔しく残念でなりません。
今回の申し入れでは、こうした点字ブロックの問題点についても改善するよう強くJRに求めました。
ひきつづき、区議会質疑や事業者への申し入れなどで、転落防止対策の強化を求めてまいります。
・
【内容】JR阿佐ヶ谷駅での視覚障害者の死亡事故を受けてホームドア早期設置を緊急要望 ・ 点字ブロックがホームの端に誘導する問題の改善を
・
※ぺージ上部に表示されているのは画像ファイルです。印刷用はPDFファイルをダウンロードしてください。