区政報告ニュース143号をホームページにアップしていなかったので、かなり遅くなりましたが更新します。
2月15日の杉並区議会本会議で一般質問に立ち
①高円寺地域の学校統廃合における小中一貫教育校建設問題
②区内の木造密集地域等における減災対策、防災対策の以上2項目を取り上げました。
今回は①の小中一貫校問題についてご報告いたします。
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◆問題だらけの地盤調査
高円寺地域では小学校2校と中学校1校、合わせて3校を統廃合する計画が、地域住民の反対の声を無視して強行されています。
新校舎は地上6階建て高さ約30mにもなる計画です。しかし昨年夏に行われた地盤調査が、中低層建物(5階以下)を想定した調査だったことが近隣住民の調査で判明し、大きな問題となっています。
問題となっている地盤調査は杉並区が民間事業者に依頼し作成させたもので、その報告書では、
・文科省の指針では中低層建築物は固さを表すN値が30以上の地盤が4~5m以上必要とされている。
・建設予定の建物は中低層に当てはまり、文科省の指針が示す地盤がボーリング調査で確認できた。
と結論付けています。しかし、文科省の指針では「中低層建物」は「5階建て以下」と定義されています。建設予定の新校舎は6階建てであり「高層建物」となります。指針では「高層建物」はN値50以上の地盤が5~8m必要とされていたのです。
今回の報告書には平成26年に行ったボーリング調査3本、昨年の夏に行ったボーリング調査2本の計5本が示されていますが、そのうち1本でしかN値50以上の地盤は確認できていませんでした。
これは高層建物をささえる地盤が予定地の地中に連続して広がっているか確認できていないことを示しています。
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◆区「影響はない」と開き直り
住民の告発を受け、一般質問でこの問題をただしましたが、区は中低層の表記は間違いと認めつつも、計画建物の設計に必要なデータは得られているため影響はないと開き直りました。
近隣住民の方々は、自宅の隣に建てられる巨大校舎が、手抜き工事で建築されるのではと不安を大きくしています。近隣住民が一級建築士の水谷和子さんに地盤調査結果をお見せしたところ「構造上の安全が確保されているとは言えない。」、「80億円もの巨大巨額の公費を費やすには、あまりにも杜撰(ずさん)な地盤調査である。」とのコメントがありました。
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◆不安を募らせる近隣住民
近隣住民にとっては、隣接地に地上30m近くになる巨大校舎が突如として作られることに、驚きと疑問の念を抱いています。そのような中で、さらに地盤調査にも問題が有るとなれば、安心して工事を見守ることができないのは当りまえです。
何度も話し合いを求めても、工事の日程はずらせないと工事を強行する区の姿勢に、多くの近隣住民が不信感を募らせています。
3つの小中学校を統廃合して作られる新校舎には600名もの児童生徒が通うことになります。この子ども達が日々の生活をおくる校舎が、このような杜撰な地盤調査で作られてしまっていいのでしょうか。
今回の小中学校統廃合計画は、地域住民との合意形成が全く行われずに区が強行してきたものです。平成25年に行われたパブリックコメント(区民意見募集)ではこの計画に120を超える意見が寄せられましたが、明確な賛成意見は3件だけ、反対意見と否定的見解は約75%にのぼります。
住民に受け入れられていない計画を強行するのではなく、ゼロベースで学校の在り方を住民と話し合うことが求められています。
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◆ニュース144号(2017.2.19)PDF ⇒ tomitataku_news_144
【内容】杉並区議会第1回定例会で区民の声を代弁!高円寺小中一貫校の地盤調査に問題あり!!・杉並のいきもの紹介81『ヒイラギナンテン(Berberis japonica)』
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※ぺージ上部に表示されているのは画像ファイルです。印刷用はPDFファイルをダウンロードしてください。
過去のニュースはコチラ ⇒ http://www.tomitataku.jp/news
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杉並区議会第1回定例会が2月13日から3月16日までの日程で開催されています。
私・富田たくは2月15日に一般質問に立ち、①高円寺地域の学校統廃合における小中一貫教育校建設問題、②区内の木造密集地域等における減災対策、防災対策の以上2項目を取り上げました。
今回は①の小中一貫校問題についてご報告いたします。
問題だらけの地盤調査
高円寺地域では小学校2校と中学校1校、合わせて3校を統廃合する計画が、地域住民の反対の声を無視して強行されています。
新校舎は地上6階建て高さ約30mにもなる計画です。しかし昨年夏に行われた地盤調査が、中低層建物(5階以下)を想定した調査だったことが近隣住民の調査で判明し、大きな問題となっています。
問題となっている地盤調査は杉並区が民間事業者に依頼し作成させたもので、その報告書では、
・ 文科省の指針では中低層建築物は固さを表すN値が30以上の地盤が4~5m以上必要とされている。
・ 建設予定の建物は中低層に当てはまり、文科省の指針が示す地盤がボーリング調査で確認できた。
と結論付けています。しかし、文科省の指針では「中低層建物」は「5階建て以下」と定義されています。建設予定の新校舎は6階建てであり「高層建物」となります。指針では「高層建物」はN値50以上の地盤が5~8m必要とされていたのです。
今回の報告書には平成26年に行ったボーリング調査3本、昨年の夏に行ったボーリング調査2本の計5本が示されていますが、そのうち1本でしかN値50以上の地盤は確認できていませんでした。(左下図参照)
これは高層建物をささえる地盤が予定地の地中に連続して広がっているか確認できていないことを示しています。
区「影響はない」と開き直り
住民の告発を受け、一般質問でこの問題をただしましたが、区は中低層の表記は間違いと認めつつも、計画建物の設計に必要なデー
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(前頁からのつづき)
タは得られているため影響はないと開き直りました。
近隣住民の方々は、自宅の隣に建てられる巨大校舎が、手抜き工事で建築されるのではと不安を大きくしています。近隣住民が一級建築士の水谷和子さんに地盤調査結果をお見せしたところ「構造上の安全が確保されているとは言えない。」、「80億円もの巨大巨額の公費を費やすには、あまりにも杜撰(ずさん)な地盤調査である。」とのコメントがありました。
不安を募らせる
近隣住民
近隣住民にとっては、隣接地に地上30m近くになる巨大校舎が突如として作られることに、驚きと疑問の念を抱いています。そのような中で、さらに地盤調査にも問題が有るとなれば、安心して工事を見守ることができないのは当りまえです。
何度も話し合いを求めても、工事の日程はずらせないと工事を強行する区の姿勢に、多くの近隣住民が不信感を募らせています。
3つの小中学校を統廃合して作られる新校舎には600名もの児童生徒が通うことになります。この子ども達が日々の生活をおくる校舎が、このような杜撰な地盤調査で作られてしまっていいのでしょうか。
今回の小中学校統廃合計画は、地域住民との合意形成が全く行われずに区が強行してきたものです。平成25年に行われたパブリックコメント(区民意見募集)ではこの計画に120を超える意見が寄せられましたが、明確な賛成意見は3件だけ、反対意見と否定的見解は約75%にのぼります。
住民に受け入れられていない計画を強行するのではなく、ゼロベースで学校の在り方を住民と話し合うことが求められています。