9月25日に行われた杉並区議会・災害対策特別委員会で杉並区から、方南一丁目地区において「不燃化推進特整備地区制度」による認定を受けるため、8月26日付で東京都に申請したとの報告がありました。
◆さらなる不燃化まちづくりへ!
方南一丁目は高円寺・阿佐谷地域と同様の木造密集地です。東京都が昨年発表した地域危険度調査では火災危険度ランク4で大規模震災時の火災延焼が心配される地域です。
2004年には東京都の「新たな防火規制」制度が導入され不燃化が図られてきましたが、今回の不燃化特区の申請により、来年3月に特区認定となれば、さらなる不燃化のまちづくりが期待できます。
近年の不燃化対策は、不燃化建物への建替えと延焼遮断帯としての道路拡幅が主となっていますが、道路拡幅については隣接住民との合意形成がないまま行政が計画を策定するなど、問題点のある計画が少なくありません。
共産党杉並区議団は道路拡幅を全面否定しませんが、区民合意が大前提との姿勢に立つことを区に要求してまいりました。
今回の特区申請では、近隣住民の生活を圧迫するような強引な道路拡幅が盛り込まれていない点でも評価できると思います。
以下、不燃化特区の概要です。
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【不燃化特区の概要(区の資料より抜粋)】
①不燃化特区設定期間
2015年4月1日~2020年3月31日
②備目標
不燃領域率70%(2013年度末49.9%)
③区民への助成
・老朽建築物の除却費の一部助成
・老朽建築物の解体後の仮囲い設置費の助成(材料費を除く)
・戸建て建替え時の建築設計費・工事管理費の一部助成
・老朽建築物除却後の土地及び建替え後の新築建築物に係る固定資産税・都市計画税の免除
・取り壊し、建替え等に関して、弁護士・税理士など専門家への無料相談
④区の取り組み
特区内の全戸訪問により、地域の防災意識や建て替え意欲の向上を図る。
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◆区民の声を取り上げるも、与党会派等が否決!!
災害対策委員長として「阿佐谷南・高円寺南地区防災まちづくり計画の再検討に関する陳情」を取り上げました。
○請願・陳情の審議を殆んど行われない?!
杉並区議会に届けられる請願や陳情が殆ど審議されていないことを皆様はご存知でしょうか?
区民には、選挙で区議会議員を選ぶ以外に、区政に対する意見を議会に請願・陳情として提出し議会で審査させる権利があります。内容は区政の問題点を改善してほしいというものが大半で、実はその多くが与党会派によって黙殺されているのです。
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○審議するかしないかは委員長の裁量
請願・陳情を審査するかどうかを決めるのは、陳情・請願が割り当てられた(付託と言いますが)常任委員会・特別委員会の委員長です。杉並区議会は原則、会派の人数によって委員長の割り当てを決めているので、与党会派が委員長の大半を占めています。
与党会派といわれる自民、公明、民主・社民は区長方針に諸手を上げて賛成というのが基本姿勢。なので、区長の方針にそぐわない区民の声は全くと言っていいほど取り上げないのです。
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○初仕事は陳情審査!!
私・富田たくは災害対策特別委員会の委員長就任後、初めてとなる今回の委員会で、約3年間にわたり放置されていた「阿佐谷南・高円寺南地区防災まちづくり計画の再検討に関する陳情」を取り上げました。
この陳情で再検討が求められている計画は、隣接する住民との合意形成のないまま道路拡幅を盛り込んだもので、当事者である住民が自らの生活を守りたいと道路拡幅の中止を求めて提出したものです。
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