富田たく公式WEBサイト

平成23年第二回杉並区議会定例会 一般質問内容 (2011.06.13)

議員活動

コメントはまだありません


Share this post

13日の一般質問の質問原稿をアップいたします。今思うと、まだまだ質問として足りない部分がたくさんあったと思います。

それでも再質問も、それなりに行えたので初回としては、まあまあの出来だったのかなと自己評価を下しております。

以下、質問原稿です。

ちなみに、質問映像(速報版)は以下のページの「平成23年 第2回定例会 6月13日(一般質問)」から視聴できます。

◆杉並区議会_本会議中継⇒http://www.gikai.city.suginami.tokyo.jp/vod/vodtop.htm

 

_____________________________________________

■平成23年第二回杉並区議会定例会 一般質問内容 (2011.06.13)

 

1.放射能汚染問題とエネルギー問題

 

◆ はじめに

日本共産党、富田たくです。私は、日本共産党杉並区議団を代表しまして、区政一般について質問いたします。

 まず、はじめに、3月11日に発生した東日本大震災で亡くなられた方々と、被災された方々に心からのお悔やみと、お見舞いを申し上げます。

 震災発生から3カ月が経過いたしました。地震や津波で被害を受け亡くなった方と行方不明者は合計で2万3千人を超えました。私も5月に支援ボランティアとして宮城県石巻市と女川町に行き、杉並区民のみなさまからお預かりした救援募金と生野菜や紙オムツなどの救援物資を現地対策センターに手渡してまいりました。

 津波の被害はTVやインターネットなどでは確認しておりましたが、実際に瓦礫となったみなと町をこの目で確認し、言葉も出ない衝撃を受けました。2か月以上も厳しい避難生活を送られている方々の声を聞き、被災者の皆様の一刻も早い生活再建が必要であることを改めて痛感するとともに、今後も被災者救援、被災地復興に全力で取り組んでゆく決意を新たにいたしました。

 

◆福島第一原発の事故の被害

 今回の震災では地震・津波の被害もさることながら、福島第一原発事故の被害が深刻な事態となっております。

 福島第一原発では地震と津波で1号機から3号機までの全交流電源が喪失し、冷却機能が停止、炉心溶融いわゆるメルトダウンが発生、さらに溶融した核燃料が圧力容器を破損させ格納容器にまで堆積するいわゆるメルトスルーといった事態に至り、大量の放射性物質が外部に放出されるという、日本の原発史上最も過酷な事故をもたらしております。

 事故の発生から3カ月の間、政府や東電の発表は毎日のように訂正され、事態は収束に向かうどころか日一日と深刻になっており、国民は不安を抱えております。原発周辺地域の方々は、仕事を奪われ、家を追い出され、不自由な避難生活を強いられています。いつになったら自宅に戻れるのか、農業ができるのか、など「先がまったく見えない」状態におかれ、復興の足がかりさえつかめておりません。被災者の苦難を取り除き、すべての被害が賠償されるように国が責任をもって取り組むことが求められております。

 

◆原発事故は政府と企業が起こした人災

 こうしたなか、6月7日に政府が国際原子力機関(IAEA)に提出した福島原発事故の報告書では、地震・津波の想定をはじめ、過酷事故(シビアアクシデント)への対応策、災害時の広域避難や放射線防護のあり方など、これまでの安全対策に不備があったと認めざるを得ませんでした。

 原発事故を発生させる引き金となったのは東日本大震災の地震と津波ではありますが、今回の原発災害は、「日本の原発では重大事故は起こらない」という安全神話にどっぷりとつかり、繰り返しの警告を無視し、安全対策を怠ってきた歴代政府と電力会社によってもたらされた人災であることはあきらかです。

 では、なぜ、このような安全神話が出来上がってしまったのでしょうか?そこには、自らの利益のみを追求してきた政・官・財の悪しき癒着とアメリカからの横暴な原発推進圧力が根底にあります。

 

◆アメリカからの横暴な圧力が潜む

 1954年、ビキニ環礁で第五福竜丸がアメリカの水爆実験で被ばくしました。日本国内では、核実験の禁止・廃止熱が高まり世界の世論を動かし、アメリカの核兵器政策が世界中から非難されるようになりました。アメリカはこの世論からの回避を目的として核の平和利用をかかげ、軍事目的で開発した原子力潜水艦の原子炉の商業利用を始めました。

 その後、日本の核兵器廃絶への動きを抑えるためにも、また世界への核平和利用のアピールのためにも、ヒロシマ・ナガサキ・第五福竜丸など原水爆で被爆した日本で核の平和利用を行わせることを目的として日本に原子力発電所を強力に押し付けてきました。

 

◆自らの利益を追究してきた政・官・財の悪しき癒着構造

 国内では、原発を推進するため、歴代政府は、財政的にも組織的にも電力業界を後押ししてきました。

 電力会社役員から個人献金という形で、自民党の政治団体へ献金が続けられ、その額は2006年からの3年間で1億2千万円近くにのぼります。これは組織ぐるみの「事実上の企業献金」との指摘も受けています。民主党も、原発推進を図る電力会社労組・電力総連が組織内候補として国政選挙に民主党議員を2人擁立、この2人が電力総連から受け取った献金は2007年からの3年間で7千万円以上といわれています。また、2009年の総選挙では東電労組推薦の112人が当選。そのなかには菅首相、枝野官房長官、海江田経済相ら、現在の政権中枢も含まれています。

 官僚との癒着については、50年ものあいだ、ほぼ切れ目なく電力業界の監督庁である経済産業省から、東電顧問や副社長などに天下りをしています。今年1月にも、もと資源エネルギー庁長官が退官してから4ヶ月のスピードで天下りを行って東電の顧問に就任しており、世間を騒がせました。

 電力会社から政治献金を受けたいわゆる族議員と電力会社の癒着、さらに電力会社の主要ポストへの天下りを行っていた経済産業省と電力会社との癒着、この2つの癒着が長年にわたり日本のエネルギー行政を蝕み続けてきたことは明らかです。

そこで田中区長に質問いたします。

 

【質問】 今回の福島第一原発の深刻な事故は、安全神話にしがみつき対策を怠ってきた政府と電力会社が引き起こした明確な人災であり、その根底にはアメリカの横暴な原発推進圧力と、政・官・財の悪しき癒着体質があります。国政の事だからと目をそむけることはできないと考えますが、こうした実態について区長の見解を伺います。

◆放射能汚染に対する区民の不安

 次に放射能汚染の問題です。経済産業省の原子力安全・保安院は6月6日に、原発事故後1週間で大気中に放出された放射性物質の総量をこれまでの推定の2倍強とする77万テラベクレルとの解析結果をまとめました。これは過去最悪と言われたチェルノブイリ事故で放出された放射性物質の約5分の1にもなる、とてつもない量への訂正です。

 今後も新たな事実が判明されるたびに、放出された放射性物質の量は増える方向で訂正される可能性も十分ありえます。

 原発事故で放出された放射性物資は、気象状況や地形により同心円状には広がらないことが、先のチェルノブイリやスリーマイル島での原発事故からも明らかです。先日も福島原発から約280kmも離れた神奈川県産のお茶の葉から、規制値を超えた放射性セシウムが検出された事はみなさまもご存じのことと思います。

 目に見えない臭いもない放射性物質がどこに流れどこに滞留しホットスポットを形成しているのかは、科学的な計測なくしてはわからないものです。また、地表に降下した放射性物質はアスファルトやコンクリートよりも土壌に長く堆積するといわれております。

 人体に対する放射線の影響では、外部から放射線を浴びて被ばくすることでの健康被害もさることながら、微量な放射性物質を体内に取り入れ、長期にわたり体内から被爆してゆく“内部被ばく”の危険性が学識陣からも指摘されています。

 東電や政府はこれまで、この内部被ばくの情報を国民に知らせることなく、放射線は普段の生活でも浴びている、飛行機に乗れば高い放射線量を浴びる、1回のCTスキャンで浴びる放射線量と同程度など、放射能の健康被害をことさら小さく印象付けようとするキャンペーンを行ってまいりました。

しかし現在では、そのこと自体に疑いのまなざしが向けられる結果となっております。

  さて、東京では、事故発生の4日後には、放射線量が平常時の10倍を超えました。一時は下がりましたが、その6日後に降った雨の影響で4倍以上になり3カ月をかけて緩やかに低下しています。それでも現在の放射線量は事故前の約2倍を維持しております。

 実際、私も10倍を超えたと知ったときは、乳児のいる友人家族や自分の家族に、東京を離れることも考えてほしいと話をしたこともありました。

 その後、全炉心溶融の可能性は低いとの発表や、放出されている量は人体に影響がないとの報道に、少しは安心しておりましたが、次々に訂正される国と東電の発表、これでは、私たち国民は何を信じればよいのか、わからなくなります。区民の皆さんから東電も国も信じられないとの声がよせられています。

 さらに、小さなお子様の保護者の方々からは保育園や幼稚園の園庭、小学校のグラウンド、公園の砂場などで子供たちを遊ばせてよいのかとの不安の声が多数上がっております。

 杉並区内の保育園で私費での土壌検査の許可を求めたところ、区から控えてほしいとの回答があったとの話も聞いております。

 多くの不安を抱えながら、国の発表も信じられない、そのような中で生活をしなければいけない区民のみなさまの日常のストレスはどれほどのものでしょうか。そういった方々の不安をなくし、区民のみなさまの健康と安心を保証するためにも、杉並区が独自に、迅速できめの細かい放射能汚染調査を実施し、正しい情報を提供すべきと考えます。もしそれが出来ないのであれば、個人や施設独自で行う調査を止めるようなことがあってはならないと考えます。

 

【質問】 区民の健康を守る上でも、区内の放射線量測定を迅速に行うべきであったと考えます。この間、区へはどのような要望があったのでしょうか、また、3か月間測定を行わなかったのはなぜでしょうか、見解を伺います。

 

◆今後の区内での放射能汚染の計測について

 共産党東京都議団が行った放射線量調査では、新宿区でも約3.5kmという限られた範囲内の測定でも、0.066マイクロシーベルトから0.116マイクロシーベルトと、大きな開きが発生しております。

 大まかな地点の測定にとどめず、区内の学校の校庭、保育園、幼稚園の園庭、公園など子供たちが頻繁におとずれる場所での、土壌の放射能汚染調査や、空間線量測定を行うことが、保護者のみなさまの不安を解消することにつながります。

 また、全小中学校、保育園での給食食材についても、保護者の方々から不安の声が上がっております。給食食材の原産地公表、及び定期的な放射能汚染調査が求められます。

 さらに、調査内容についてはヨウ素131、セシウム134、137にとどめず、ストロンチウム90やプルトニウム239など、原発事故で発生すると予想される他の放射性核種をできる限り対象にして測定を行うことも重要だと考えます。

 【質問】 このようなきめの細やかな測定をし、区民にその結果を正しく公表することが必要と考えますが、いかがでしょうか?また、放射線量測定として、9百27万5千円が補正予算に組み入れられておりますが、その具体的な内容についてお答えください。

 

◆測定結果のHP以外での公表を

放射線測定の結果については、現状では区のホームページでの公表となっており、インターネット環境が無い方々にはリアルタイムで情報が伝わらない状況となっております。

 【質問】 放射線量測定の結果について、インターネットだけでなく公共施設での張り紙など広範な方々への公表が必要と考えますが、いかがでしょうか?

 

◆発生者責任の追及で国と東電に求償を

今回の原発事故は、先にも述べたように安全対策を怠った政府と電力会社が引き起こした人災であることはあきらかです。

  

【質問】 放射線量測定やその対応に要した費用を国や東電に求償することを求めますが、いかがでしょうか?

 

◆再生可能エネルギーへの転換を

 現在の原発技術は、そもそも未完成かつ危険なものであり、世界有数の地震・津波国である日本に集中することの重大性は、今回の震災で明らかになりました。今の原発に依存しきったエネルギー政策下では、明日・明後日に原発を全面停止することは難しい状況ですが、杉並区として他区に先駆けて、省エネルギー政策、代替エネルギー政策を真剣に検討し、危険な原発依存からの脱却を行っていく必要があると考えます。

  

【質問】 原発依存から再生可能エネルギーへの転換に向けた高い志を持った方針を、現在策定中の基本構想に取り入れるなどして、自治体として明確にすべきと考えますが、区長の見解を伺います。

 

◆太陽光パネルの普及率の目標を高く

 再生可能エネルギーの施策として、杉並区では太陽光発電機の普及率の向上をかかげています。普及率を飛躍的にあげるためには、その目標値を大幅にあげるとともに、予算の拡充、広範な区民へのアナウンスなどが必要と考えます。そこでお聞きします。

  

【質問】 太陽光発電機器の普及率の目標は、現在、平成25年度までに2%とされていますが、杉並区の年間電力消費量のどの程度の割合を占めるのでしょうか。また、再生可能エネルギーへの転換目標を大幅に引き上げる必要があると考えますが、いかがでしょうか?

 

◆太陽光パネルの助成制度の拡充を

 4kwあたりの太陽発電機器の設置費用はだいたい240万円ぐらいとまだまだ一般家庭で導入するのにはハードルが高いのが現状です。区民の負担を減らし、

 

【質問】 再生可能エネルギーの普及率で特別区の先頭に立つためにも、太陽光発電機器設置助成金を大幅に拡充するべきと考えますが、いかがでしょうか?

 

◆国の太陽光パネルの助成制度拡充の要請を

今年度、国は太陽光発電機器の設置助成金を大幅に縮小しました。東京都も、今年度の予算として太陽光発電機器の補助金制度を廃止する事を決定しておりましたが、事故後の世論の声に押され、補助金制度を補正予算で復活させること聞いております。

 

【質問】 国に対し、太陽光発電機器の設置助成金を、もとの水準に復活させるべく、要請を行うべきと考えますが、いかがでしょうか?

 

◆様々な再生エネルギーの研究・導入を

 杉並区のような住宅都市の中で現在利用できる再生可能エネルギーとして代表的なものは太陽光発電機器ですが、それ以外の可能性についてもしっかりと検討を行わなければならないと考えております。様々な家庭や建物で再生可能エネルギーの利用が可能になる、そういった明るい未来を示していくためにも、多種多様な方法の継続的な研究・検討を杉並区が先頭に立って行っていくべきです。

 

【質問】 今後、太陽光発電以外の再生可能エネルギーの検討、導入が必要と考えますが、区はどのような対応を行っているのか伺います。

 

◆医療用発電機の助成・拡充を

【質問】 今回の震災をとおして、医療・介護施設や在宅患者の停電時の非常用電源の確保が問題となっております。患者・利用者の生命維持にかかわる機器が長期停電時でも安定稼働できるよう、非常用電源、自家発電の実態を把握し、金銭的問題がある場合は助成をするなど支援を行うことが必要と考えますが、見解をお伺いして次の質問にうつります。

  

2.自然環境の保護について

 

◆自然環境の保護と区の施策について

 現在、問題となっているエネルギーシフトや温暖化の解決は、その根本をたどればすべて、地球規模での生態系の保全を最大の目的としています。

 人間社会が今後50年、100年と持続的な営みを続け、私たちの子どもたちが安心して生活していくためにも、生物の多様性の保全が欠かせません。地球上に生息する生物種の数は3千万種ともいわれ、その中で人間が生態を解明しているのはわずかに174万種、そして地球上では年間4万種の生物種が絶滅していると言われております。

 住宅都市と言われる杉並区が、環境保護の先頭に立ち、環境教育や区民と行政が一体となって生態系を守ることは、今後の杉並区の価値を高めることにつながると考えます。子どもたちの未来に真剣に取り組む行政がある地域だからこそ、その地域で子どもを育てたいと思う家庭も増え、杉並区の生産年齢世帯を呼び込むことにもなります。生産年齢世帯は言いかえれば働き盛り世代。その世帯が増えることで区の税収も伸びていきます。

 100年後の地球でも人類が安心して社会活動を行える基盤を築くこと、そのためにもそれぞれの地域で生活する1人1人が地域の生態系の保全、地域の生物多様性の保全を考えなければいけないという事を、あらためて環境基本計画の根幹に位置付けることが大切です。

 

【質問】 杉並区が長年にわたり行ってきた自然環境調査、河川生物調査は先進的なものであり、今後も継続的に行っていくことが区内外から求められております。現在、4年に一度2年間の調査というサイクルを一時的に変更し、調査方法や公表方法を検討していると事ですが、次回の調査に当たっては、その精度の維持、及び向上を図り、調査データを杉並区の様々な施策の基礎データとして位置付け、環境対策や生物多様性の保全・再生・創出に十分に活用することが必要と考えますが、いかがでしょうか?

 

◆公園の整備について

 また、これまでの調査結果も踏まえ、区内の様々な場所に生物多様性に配慮したスペースをつくっていくことが必要と考えております。そういった観点からも、

 

【質問】 整備の行きとどいていない小さな公園の再整備を行うとともに、そのさい生き物が棲める環境や、はらっぱなどをつくり、子どもたちが自然と触れ合い、学べるような公園づくりを求めますが、いかがでしょうか?

 

◆さいごに 

 最後に、原子力発電所や放射能汚染の問題、また再生可能エネルギーへの転換や、生物の多様性の保護といった環境問題など、今回質問した内容についてはすべて、杉並区で暮らす子どもたちの将来に大きくかかわってゆく問題と考えております。

 本当の意味での、いのちを守り、はぐくむ杉並区政に実現に向け、区が全力を尽くすことを求めて、私の一般質問を終わります。

 _____________________________________________

 理事者の答弁については、録画画像でも確認できますが、後ほどこのブログで私の感想も付けてお知らせします。

this post への0件のコメント
Add your comment