2018年11月21日 第4回定例議会一般質問原稿「児童館廃止の問題点について」
2018年11月21日に開催された杉並区議会第4回定例会・本会議にて一般質問に立ちました。テーマは「施設再編整備計画における児童館廃止の問題点について」です。議事録ができるまでに時間がかかりますので、質問全文を掲載します。
※この文章は時間の制約によって一般質問では削除した部分も含まれておりますので、本会議場での発言とは一部異なります(ただし、19項目の質問内容に変更はありません)。正式な一般質問全文については、後日発行される杉並区議会の議事録をご確認ください。(2018.11.28)
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日本共産党・富田たくです。
私は日本共産党杉並区議団を代表しまして、施設再編整備計画における児童館廃止の問題点について質問いたします。
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今年9月に杉並区立施設再編整備計画・第二次実施プラン(案)が発表になり、このほどパブリックコメント・区民意見募集を終えて計画決定がなされ12月4日には区議会全員協議会で区からの報告が行われる予定となっております。
私たち日本共産党杉並区議団は、再編整備計画・第一次実施プランの素案が発表された当初から計画の内容を区民にお伝えし、計画の問題点を議会で指摘し、改善を求めてまいりました。
その問題点のうち、今回は児童館廃止の問題点について、あらためて取り上げていきたいと思います。
杉並区が長年培ってきた児童館は、0歳から18歳の子ども達と保護者の重要な居場所であるとともに、子育て支援の拠点として位置づけられ、子育て世帯と地域の町会自治会や、高齢者と結ぶ地域のコミュニティ形成の場でもあります。再編整備計画では児童館の全館廃止方針が出され、区内の子育て世帯や子ども達の健やかな成長を願う多くの区民から不安の声が噴出しています。
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◆施設再編の大まかな経緯について
2013年(平成25年)9月に発表された再編整備計画・一次実施プラン(素案)で、区は「現在の児童館としての施設は廃止し」と全児童館の廃止方針を明記しました。これに対し区内の保護者や関係者など多くの方々から廃止の撤回を求める声が多数上がりました。当時、児童館で働く区職員もこの児童館全館廃止を明記した素案の内容を知らされていなかったことも大きな問題として注目されました。
その後、区は同年11月に改定素案を発表。児童館の「廃止」との文言を「児童館という施設にとらわれることなく」という言葉に置き換えましたが、児童館施設が全館廃止される内容は変わっていません。
当時のパブリックコメントでは児童館の存続を求める意見が多数寄せられましたが、区は児童館廃止方針を撤回することなく2014年(平成26年)の3月に計画決定を行い、2014年度から今年度までの5年間で3つの児童館が廃止されてしまいました。
昨年2017年(平成29年)3月に一次実施プランの改定が行われ、今年9月に第二次実施プランの計画案が出されました。
第二次実施プランでは、来年度2019年度からの3年間で高円寺北児童館、高円寺中央児童館、下井草児童館、東原児童館、浜田山児童館、堀ノ内南児童館、永福南児童館、大宮児童館、成田児童館の9館が廃止される内容で、その他に期限は明記されていませんが阿佐谷児童館、下高井戸児童館の2館の廃止も明記されています。
一次実施プランでは5年間で3館の児童館が廃止されましたが、今回の二次実施プランでは3年間で9館と、廃止のスピードがあまりにも速く、こんなに一気に廃止させる必要があるのかと、計画の内容を知った方々は一様に驚かれていました。
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◆杉並区の児童館について
杉並区の児童館は1960年代から作られていますが、それぞれの地域で保護者などの区民による運動によって設置が進んできました。なので、この児童館は私が作ったんだという方が各地域にそれぞれいらっしゃると、よく聞きます。地域住民にとっては小中学校と同じように、児童館は子ども達のための区立施設として大切にされてきました。
住民の要求によって設置が進み地域コミュニティにとって重要な施設となっていたからこそ、杉並区も児童館を中心とした子育て支援のネットワークづくりに力を入れてまいりました。
1960年代から2000年代へと時代が進み、日本社会では子どもを取り巻く環境が大きく変わりました。そのような中で2002年には区職員で構成された「杉並区児童館運営の仕組み及び学童クラブのあり方検討会」が設置され、17回に及ぶ検討の後、2003年2月に報告文書が作られています。
その後、2006年(平成18年)には学識経験者や児童館関係者と区職員による「杉並区児童館等のあり方検討会」が設置され、13回に及ぶ検討で報告書を提出しています。
議事録や報告書を読む限り、どちらの報告も子ども達のための児童館をどのように発展させていくか、時代の変化に対応させていくかという観点に立ち、保護者からの声や子ども達の声をアンケートや直接ヒアリングなどで聴取し、議論がなされていました。
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◆「児童館等の在り方検討会報告書」について
特に、2006年(平成18年)12月発表の「児童館等の在り方検討会報告書」は現在までの杉並区の児童館行政の方向性を位置づけた重要な文章だと思います。
こういった報告書をつくるにはやはり検討会を構成する委員がその分野の知識や経験を持たなくてはいけません。
検討会では社会教育学や発達心理学などに精通した学識経験者2名、子ども関係NPO法人関係者、主任児童委員、青少年育成委員代表、小学校PTA連合協議会代表、学童クラブ父母会連絡会代表、地域子育て支援グループ関係者2名、そして区の担当部課長と児童館長の代表、計14名によって構成されていました。
報告書では、学童クラブの登録者数の増大により一般来館者が利用しにくくなっている点など、児童館・学童クラブの課題を明記しつ、その解決のための目指す方向として、
〇児童館が「学校や地域の様々な取り組みとの連携の中で放課後の居場所づくりを再構築すべき」
〇発達段階の違う年齢層ごとの多様なニーズにこたえられるよう「児童館ごとに特色ある運営を推進していくことが必要」
〇「その際、行動範囲が限られる乳幼児親子や小学生の身近な居場所機能をベースに考えていくべき」
〇「家庭が子どもたちを心身ともに健やかに育てていけるよう、プロブラムの充実や職員の専門性の向上を図り、保護者・家庭への的確な支援を行っていく必要がある。」
〇「1小学校区に1児童館がある利点を生かし、今後もさらにその機能を強化していく必要がある」
などがあげられており、その方向性が区の児童館行政に取り入れられてきました。
ここであらためて、今まで進めてきた児童館行政の方針を確認するとともに、施設再編での方針転換の内容について確認します。
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【問1】(「1小学校区に1児童館がある利点を生かし」とは)
この報告書で示されている「1小学校区に1児童館がある利点」について、杉並区はこれまで、どのようにとらえ、どのように生かしてきたのか。区の認識をお答えください。
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【問2】(子育てネットワークの拠点の機能について)
また、報告書では「子育てネットワークの拠点のとしての機能を強化していく」とありますが、この拠点としての機能とは具体的にどのような機能なのか、どのようにその機能を強化していく方針だったのか、確認します。
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【問3】(地域の子育てネットワークの拠点が減少)
地域子育てネットワーク事業については、施設再編整備計画では今後子ども子育てプラザで引き継いでいくとされております。
41館の児童館が今まで子育てネットワークの拠点として各地域で機能してきたわけですから、それが14館の子ども子育てプラザに減少してしまえば、区内の地域の子育てネットワークの拠点が減少してしまう事は明らかです。この点について、区の認識を確認します。
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◆急な方針転換
この検討会で課題として挙がっていたのは、児童館にしても学童クラブにしても、乳幼児親子から小学生、中高生のそれぞれの世代の居場所が足りていないから、それをどう拡大・充実していくかという議論でありました。そのために学校や地域とどのように連携をしていくかというもので、決して41館の児童館施設を廃止・縮小していくべきといった内容では無いのです。
しかし、杉並区は子のあり方検討会の報告が出てから10年もたたずに、施設再編整備計画で児童館施設の削減、最終的には全館の廃止を打ち出してしまいました。
再編整備計画の素案が出た年度の保健福祉概要でも、この報告書の方針のまま「子どもの居場所づくりの推進」という項目で「児童館運営の充実」と最初にうたわれていたんです。2013年の決算特別委員会でこの点を私が指摘すると、区長からは「方針の転換だ」とのヤジが飛びました。区議会の議会議事録でも確認することが出来ます。
区の要綱に則って作られた検討会によって出された「方針」を転換するのであれば、あらためて同様の学識経験者や区内の子育ての取り組みに関係する方々による検討会で方針を検討すべきだと指摘したところ、当時の施設再編・整備担当課長からはそういう知識を十分に持った「行政経営懇談会」で意見を伺ったから問題ないのだ、との答弁がありました。これの答弁を受け、私は愕然としたことを覚えています。
というのも、「児童館等のあり方検討会」は社会教育学や発達心理学などに精通した学識経験者、子育て支援の関係者や保護者、区の担当部課長と児童館長などによって構成されていましたが、「行政経営懇談会」の構成メンバーは、政治経済学、経営学の学識経験者や人材育成の研究員、税理士など、その名の通り経営の専門家たちであり、児童福祉、子どもの居場所や子育て支援といった分野の専門家ではなかったからです。
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◆行政経営懇談会でのミスリード
また、行政経営懇談会の会議録を確認しましたが、区立施設全体の再編についての議論のなかで、各施設の課題などは区から説明がありましたが、特に児童館についての課題の解消のための密な検討は行われておりませんでした。
逆に、 懇談会のなかで児童館については、当時の企画課長から
「平成3年と23年直近を比較しますと、学童クラブ利用者を除く小中学生の年間利用者は率にして13.4%、数にして約4万5,000人減っております。ちょうどこの間の区の0~14歳の人口が約15%減っておりますので、それがほぼダイレクトに反映された形になっております。」
との説明がされておりました。
「児童館等の在り方検討会」では児童館の小中学生の利用が減少してきた原因は、学童クラブ登録者の増加によって一般来館者が使えるスペースが減少し使いづらくなっているからと分析しており、それとは全く違う説明を行政経営懇談会で行っていたのです。
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【問4】(学識経験者等の検討会も持たずに方針転換することの問題点)
児童館等のあり方検討会のように児童福祉や子育ての専門性をもった学識経験者や児童館関係者が集まった組織でもなく、さらには「子どもが減ったから児童館の小中学生利用も減った」と勘違いさせるような説明しかしていない行政経営懇談会で、意見を聞いたのだから児童館廃止への「方針転換」は問題ないのだ、と開き直る姿勢は、児童館や子育て支援といった分野に対し、余りにも無責任な姿勢だったと指摘するものですが、区の見解を確認します。
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【問5】(有識者へに意見聴取が必要)
あらためて、児童館の今後のあり方や、区が進める再編整備の方針について、その是非を含めた意見を、検討会や学識経験者から聞くべきと摘指摘するものですが、区の見解を求めます。
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◆児童館の法律、条例上の扱いについて
【問6】(児童館条例と放課後等居場所事業実施要項)
児童館における小学生の居場所機能について、杉並区は小学校内で行う「放課後等居場所事業」で機能の継承・発展が出来ると説明してきましたが、果たしてそうでしょうか。
「杉並区立児童青少年センター及び児童館条例」の中では児童館が行う事業は、次の7項目と規定されています。①「児童の福祉活動に関すること。」
①「児童の福祉活動に関すること。」
②「児童の科学への興味及び知識の普及向上に関すること。」
③「図書の閲覧及び絵画等の展示に関すること。」
④「各種講座の開設及びクラブ活動の指導奨励に関すること。」
⑤「児童の自主活動及び自主サークル形成の支援に関すること。」
⑥「健全な遊びを通して、児童の集団的及び個別的な指導に関すること。」
⑦「児童に係る総合相談及び地域における子育て支援の組織化に関すること。」
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放課後等居場所事業の実施要項で示されている事業は
①「放課後等における小学生の安全・安心な居場所の提供」
②「文化・創作活動やスポーツ、遊び、地域住民との交流活動等のプログラムの提供」
③「学習活動の支援」
④「子どもの自発的な活動・遊びの援助」
のたった4項目で、「児童の福祉活動」、「科学の興味及び知識の普及向上」、「図書の閲覧及び絵画等の展示」、「サークル形成の支援」、「児童の集団的及び個別的な指導」、「児童に係る総合相談」など、児童館が行ってきた事業内容がなくなってしまっているんです。
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【問6】(児童館条例と放課後等居場所事業実施要項)
区の条例・要綱の面から見て児童館の機能が継承・発展されているとは言い難いものと指摘しますが、区の見解を求めます。
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【問7】(児童館の7つの事業の具体的な内容)
あらためて、条例上で児童館が行う事業として示されている7つの事業について、各事業が現在どのように実施されているのか具体的な説明を求める。
また、それぞれの事業が施設再編後は条例・要綱・規則などでどのように定義されているのか説明を求める。
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◆児童福祉法の児童厚生施設
児童福祉法での位置付けはどうでしょうか。
児童館は児童福祉法の児童厚生施設と定義されており、同法第40条で「児童厚生施設は、児童遊園、児童館等児童に健全な遊びを与えて、その健康を増進し、又は情操をゆたかにすることを目的とする施設とする。」と規定され、この目的を達成するための最低基準が設けられています。
具体的には、
〇 児童館等屋内の児童厚生施設には、集会室、遊戯室、図書室及び便所を設けること。
〇 児童厚生施設には、児童の遊びを指導する者を置かなければならない。
〇 児童厚生施設の長は、必要に応じ児童の健康及び行動につき、その保護者に連絡しなければならない。
といった基準です。
そのため、児童館には独立した集会室、遊戯室、図書室が設けられ、さらに図工室や音楽室なども自治体の裁量で設置されているのです。それぞれ独立した部屋だからこそ、子ども達はその中で自分の好きな遊びを選択し集中して行うことができます。
しかし、放課後等居場所事業は、子ども子育てプラザの施設外事業としての位置づけしかなく、実施されるのは学校施設の一部の限られたスペースのみで、児童厚生施設として定められていた法的な最低基準、いわゆる集会室や遊戯室、図書室などの設置義務などがなくなってしまうのです。
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◆児童厚生施設としての一例(図書館)
こういった指摘をすると、条例や法律で規定しなくても、現場ではきちっとやって継承できるんだと、区は言うかもしれませんが、法的な規定や最低基準はとても重要のですので一例をあげたいと思います。
先日、和泉学園の放課後等居場所事業を視察させていただきました。
校舎内のランチスペースを利用して実施されており、工作や宿題、ブロック遊びなどで子ども達は過ごしておりました。
そこでの図書は、学校図書室から借りてきた児童書が3段の移動式ファイルラックに置かれており、100冊程度しかありませんでした。
高円寺北児童館に問い合わせましたが、図書はおおよそ2400冊、高円寺中央児童館では1500冊の図書があり、いつでも自由に手に取ることが出来るのです。
児童厚生施設として図書室の設置義務があること、また杉並区の児童館条例で「図書の閲覧及び絵画等の展示に関すること。」を実施事業として規定しているからこその、充実ぐあいなのです。
しかし、区の「放課後等居場所事業実施要項」では、図書室の整備及び図書の閲覧については、記載がありませんので、児童館と比較しても10分の1以下の図書しか子どもたちに提供できていないのです。
小学校内の図書室があるではないかと言われるかもしれませんが、18時まで放課後等居場所事業は行われておりますが、小学校の図書室はそれより前に閉館してしまいますので、児童館と同等とはいきません。
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【問9】(児童厚生施設としての一例)
こういった点からも、杉並区の児童館が行ってきた事業の一つである「図書の閲覧に関する事業」が小学校内での放課後居場所事業では継承・発展できていないことは明らかだと指摘するのもです。区の見解を求めます。
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◆学校になじめない児童の居場所の喪失
小学生の居場所が小学校内での放課後等居場所事業となることで、不登校児童や学校になじめない子、学校から距離を置きたくなった子など、様々な事情を抱える子どもの居場所に影響があることを、この間指摘してきました。
区は子ども子育てプラザで対応していきたいとしておりますが、子ども子育てプラザになってしまえば乳幼児親子専用のスペースに改装されるため、今までの小学生の居場所から激変してしまいます。
また、子ども子育てプラザは区内で14館しか作られないため、そういった子供たちの居場所が数としても減少してしまいます。
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【問10】(学校になじめない児童の居場所の喪失)
児童館が救いの場になっていた児童にとって、その子たちが求めていた児童館の機能は、結果的には継承・発展できていないと指摘するものですが、区の見解を求めます。
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◆学校統廃合の地域では小学生の居場所自体が減少する
学校統廃合が行われる地域はさらに深刻です。
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【問11】(小学生の居場所の減少)
高円寺地域では、児童館2館が廃止され、その代わりに実施される放課後等居場所事業は統廃合後の小中一貫校の1か所のみとなってしまいます。高円寺地域では小学生の居場所が減少してしまうことはだれの目から見ても明らかだと指摘しますが、区の見解を求めます。
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◆学童クラブの大規模化の問題
つぎに、児童館の廃止に伴う学童クラブの小学校内への移設についての問題点です。
児童館内に併設されている学童クラブに通う児童の保護者の方々からは、
「これまで児童館で保障されていた遊戯室、音楽室、工作室など空間として保障されていたが、小学校内での実施となることでどうなるのか不安」といった声や、「学校ではない別の場所ですごすことで、精神的な安心感があったと思う。一日中学校のなかではストレスがたまったしまうのでは」との声、「現在でも100名を超えているが、さらに人数が増えることになるのは心配」といった声など、様々な不安の声が寄せられています。
こういった不安の声のうち、学童クラブの大規模化の問題について取り上げたいと思います。
先日の和泉学園での視察では、学園内の学童クラブの視察もさせていただきました。
もともと学園内で実施している学童クラブと、廃止された和泉児童館に併設さてていた学童クラブが統合されたため160人を超える大規模学童クラブとなっています。
当日は雨天でしたので殆どの児童が学童クラブの施設内で過ごしておりましたが、私が感じたのは、160名の子ども達にとって施設が狭すぎるということと、子ども達の集団が大きすぎる、ということです。
「全国学童保育連絡協議会」(全国連協)が今年10月3日に発表した「学童保育(放課後児童クラブ)の実施状況調査」では、「一人ひとりが安心して関係を築けるために、 集団の規模は「おおむね40人以下」であることが必要」とし、たとえ40名の支援の単位に2名の職員がついても、学童クラブとしての集団の総数が大規模化することで、
・子ども達が「騒々しくて落ち着けない」、「ささいなことでケンカになる」
・「指導員の目が全体に行きとどかなかったり、子どもの声に耳をかたむけられず、適切に子どもにかかわることが困難」になる
・「遊びや活動を制限せざるを得ない」「事故やけがが増える」
などの問題点が指摘されています。
私は、160名規模となっている和泉学園の学童クラブを実際に視察し、こういった問題点を実感いたしました。
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【問12】(学童クラブの大規模化による影響)
児童館の廃止に伴い、学童クラブが学校内に移設される際、複数のクラブが1つに統廃合されることで、学童クラブの定員が150名、200名と大規模化することは、子ども達の学童クラブでの生活に大きな影響を与えると指摘しますが、区の見解を求めます。
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◆乳幼児親子の居場所の減少
児童館の廃止に伴う、乳幼児親子の居場所の減少も大きな問題です。
1小学校区に1館児童館が設置され、ベビーカーを押して歩いていける距離にあるのが乳幼児親子にとって大きな利点でした。しかし、児童館41館が廃止されたのちに作られる乳幼児親専用施設の子ども子育てプラザは14館のみです。
高円寺北児童館でゆうキッズ事業に参加していた保護者にお話を伺ったところ、「高円寺北児童館がなくなってしまったら、高円寺中央児童館が子ども子育てプラザとなっても、遠くて行けない」とのことでした。
地域コミュニティ施設や廃止後の児童館を利用して設置される学童クラブ専用館に、乳幼児スペースを設置すると区は言いますが、そこには常時専門職員が常駐するわけでは無いと区も明言しています。
そもそも、施設再編整備計画・第一次実施プランでは、「「ゆうキッズ」を含む乳幼児親子の居場所」については「全体として現在と同規模の実施場所を確保する」としていましたが、第二次実施プラン(案)では「地域コミュニティ施設等にも乳幼児親子の居場所となるスペースを確保し、区全体で現在と同規模の居場所を確保」するとの記載になっています。
地域コミュニティ等で確保されるのは「ゆうキッズの実施場所」ではなく「居場所となるスペース」のみと、乳幼児親子の居場所の質が下がってしまっているんです。
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【問13】(乳幼児親子の居場所の減少①)
地域コミュニティ施設等の乳幼児親子のスペースは、専門の職員がの常駐するわけでもなく、現在の児童館と同じようにゆうキッズ事業が日常的に実施されるわけでもありませんので、児童館が果たしている乳幼児親子の居場所の代替施設とはなりえないと指定するものですが、区の見解を求めます。
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【問14】(乳幼児親子の居場所の減少②)
また、ゆうキッズ事業などが日常的に実施されるような、現在と同等の乳幼児親子の居場所は、施設再編後は子ども子育てプラザの14館のみとなり、結果的には当初41か所から3分の1へと激減することになります。この点について区の見解を求めます。
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◆民営化による人件費の削減
学童クラブの民間委託についても問題があります。
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【問15】(学童クラブの民営化による人員削減)
再編整備計画・第二次実施プラン案と同時期に発表された杉並区行財政改革推進計画(改定案)では「学童クラブ運営委託の推進」として2019年度(平成31年度)からの2年間で6クラブの民間委託が計画されています。
児童館廃止に伴い、併設されていた学童クラブが学校内に移設するタイミングで民間委託が行われます。それにより区職員の人数は何名削減されるのか?また人件費などの経費削減はどれくらいとなるのか、確認いたします。
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【問16】(人件費削減)
児童館の廃止と学童クラブの小学校内の移転によって進められる民間委託は、人件費削減が目的で行われることは明らかであると指摘しますが、区の見解はいかがか、答弁を求めます。
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◆放課後等居場所事業の民営化に伴う区職員の専門性の喪失の危険性
実は児童館廃止に伴って進められる民間委託は、学童クラブに限ったものではありません。
小学校内での実施される放課後等居場所事業についても、学童クラブの委託事業者が実施することになるのです。
児童館職員は現在、日常的に児童生徒と接する中で、家庭の状況、例えばネグレクトや虐待、またそこに至る前の小さな変化、兆しなどを把握し、こども家庭支援センターや学校の教員と密な連絡を取り合って対応しています。
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【問17】(区職員の専門性の喪失)
こうした中で区職員の専門性も向上していくことになりますが、民間委託によりその機会が奪われれば、職員の専門性が低下し、その結果、保護者・家庭への適切な支援が行えなくなってしまう可能性があると指摘します。この点、区の見解を求めます。
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【問18】(密な連絡体制の喪失)
また、区職員同士だからこそ部署を超えた細やかな連携が行えているとの声もあります。
ある児童館職員から、ネグレクトの兆しが見える児童について児童館に来館したら、その様子をこども家庭支援センターに毎回連絡し状況を報告して対応を相談している、とのお話しがありました。
民間委託によって、こういった密な連携が出来なくなる可能性もあると指摘しますが、区の見解を求めます。
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◆児童館の存続
以上、施設再編整備計画における児童館廃止の問題点を指摘させていただきました。
こうした指摘は先に述べた通り、保護者の方々、地域の児童館関係者など多くの方からも寄せられております。
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【問19】(児童館存続を)
最後に、子ども達の健全な育成の場を確保するためにも、子育て支援の拠点として機能してきた現在の児童館施設は存続させ、区内に細かく設置された利点を生かしつつ、その機能を拡充していくことを強く要望し、区の見解をもとめて、私の一般質問を終わります。
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