「杉並区実行計画」、「区立再編整備計画」、「行財政改革推進計画」についてそれぞれの「改定案」が発表され、9月1日からパブリックコメント(区民意見募集期間)が開始されました。それに伴い、9月6日までに杉並区が主催する説明会が5回開催されました。区役所や区民センターで行われた説明会には延べ200名の区民が参加しました。
・
◆説明会で区民が進言「区政に参画させてほしい!!」
どの説明会でも「公園の廃止転用」や「学校統廃合」、「児童館の廃止」、「区立保育園の民営化」などの施策を強行する区の姿勢に対し区民から異論が続出しました。これらの計画の殆んどは、区民との話し合いを行わないまま方針を決定したものばかりです。
参加者は「説明会というが決定事項の通達の場でしかない」、「代替案を示しながら計画の変更をうったえても取り合ってもらえない」、「計画の変更が可能な時期から区民と話し合ってほしい」といった意見が出されましたが、出席していた区の部課長らは耳をかさず区民と協同してまちづくりを進める姿勢を一切見せませませんでした。
・
◆様々な計画が区内各地で区民生活を直撃!!
【公園の廃止、保育所用地への転用強行】
杉並区が今年5月に発表した「待機児童解消緊急対策」にて区は来年(2017年)4月の待機児童ゼロを実現するため認可保育所増設により1140名以上の保育定員の確保を計画しました。この中で保育施設増設のために一部の公園を廃止し保育所へと転用する計画を進めています。
対象に上がった公園のうち向井公園(下井草3丁目)、久我山東原公園(久我山5丁目)の近隣住民からは、子ども達の利用頻度が極めて高く近隣の保育所でも利用が頻繁であること、また地域コミュニティーの核として利用されていたことから、区に対し再考を求める声があがっていました。
そもそも利用者たちへの相談もなく公園の廃止転用が決定され、さらには区民の声を無視して工事が強行されていることに多くの住民が怒りの声をあげています。
認可保育所の増設は急務の課題であり、共産党杉並区議団は山田前区長の時代から増設をうったえてきました。しかし、子ども達の重要な居場所であり地域の拠点となっている公園を何の相談もなくつぶし、公園を守りたい区民と認可保育所を増設してほしい区民を衝突させるような計画の進め方は許されるものではありません。計画的な認可保育所の建設を行っていれば待機児解消は段階的に可能であったことは明白であり、認可保育所増設に後ろ向きだった区の姿勢について反省するとともに、現行の計画を修正すべきです。
・
【学校統廃合の強行で巨大校舎建設】
この区政報告ニュースでも紹介してきましたが高円寺地域の学校統廃合問題では、施設一体型の小中一貫教育校を現高円寺中学校に建設しようというもので、3つの小中学校(杉四小、杉八小、高円寺中)を1つの学校敷地に統合してしまうという内容です。3つの学校を一つに強引にまとめるのですから、必然的に学校施設は高層化し校庭は狭くなります。
この学校統廃合計画は杉並区が平成21年から高円寺地域に強行的に押し付け、小学校が無くなる地域の反対の声を無視して進められてきました。
新校舎が6階建てで高さ30メートルとなることが隣接住民知らされたのは基本的な設計が終わった段階です。近隣住民は日照問題や圧迫感の問題、子ども達の教育環境悪化などの問題について区に話し合いを求めていましたが、話し合いの決着がつかないまま区は校舎建設に着工するためのボーリング調査を強行し、ここでも近隣住民から怒りの声があがっています。
その他にも、あんさんぶる荻窪と税務署用地交換問題、児童館廃止問題、ゆうゆう館廃止問題、杉一小複合化問題、区立保育園の民営化問題などが区立施設再編整備計画改定案では強行的に進められる内容となっています。
※各地の写真や地図などは2016年9月10日に共産党杉並区議団主催で行った学習会にて使用したパワーポイント資料です。当ブログのポートフォリオでもご覧になれます。⇒ リンク[【学習会資料】区立施設再編・改定案についての緊急学習会(2016.09.10)]