杉並区議会予算特別委員会で施設再編白紙撤回を要求!区民を欺く論拠に道理なし!!(区政報告ニュース115号)
2月10日から3月13日の日程で2015年杉並区議会第一回定例会が開かれています。私・富田たくは予算特別委員会で質疑に立ち、杉並区が強引に進める区立施設再編整備計画について取り上げ、区が根拠としていた「膨大な財政負担論」も「急激な少子高齢化論」も全くの後付であり計画推進には道理が無いことを明らかにしました。
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◆施設再編計画の論拠がことごとく破綻している!!
区立施設再編整備計画は杉並区が2013年9月に突如議会に提案した計画で、児童館施設の全廃やゆうゆう館の廃止・転用、区民事務所会議室の全廃、科学館の廃止、あんさんぶる荻窪と税務署の交換など、杉並区のまちづくりを根底から覆す内容です。多くの利用者や団体から反対の声が噴出しています。
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◆「膨大な財政負担論」の破綻
区は計画素案の発表当初、施設削減の論拠として「膨大な財政負担論」を使いました。区の言い分は『現在の区立施設を維持すると今後30年間で改築・改修費が2779億円となり大きな財政負担となる』というものです。杉並区の1年間の一般会計予算は約1700億円ですので、この話だけ聞けば大変なことになると焦ってしまいます。
しかし、50年近く使う区立施設は大規模なものほど区債を活用しながら分割払いを行い、毎年の負担を軽減させるのが一般的です。その観点で毎年の負担を計算すると高い年でも1年間で42億円となります。
これは過去10年間に区が支出した改築・改修費の年平均52億円を上回るどころか下回っています。結局、膨大でもなんでもない財政の負担を必要以上に大きく見せかけていただけでした。このことは計画素案が発表された2013年の第4回定例議会で党区議団が厳しく指摘をしました。
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◆「急激な少子高齢化論」の破綻
財政負担論をメインの論拠に出来なくなった区はその後、11月に計画素案を改定し、「急激な少子高齢化論」を後付で追加してきたのです。
区は『30年後には区内の高齢者人口2倍になり、生産者人口の割合が7割から5割に減少するので区税収入が激減する』ので施設の維持・更新は無理だというのです。日本の少子高齢化問題は大変深刻な状況と言われていますので、この話を聞くと信憑性があるように聞こえます。
区が持ち出したこの将来人口推計は国立社会保障人口問題研究所という機関が発表したものですが、実はこの人口推計が、杉並区独自の人口推計と全く違っていたのです。
杉並区は基本構想や実行計画など基幹的な施策を作る際には、将来の高齢者の割合や年少人口の割合などを推計し、計画の基本にします。この杉並区区独自の人口推計では20年たっても高齢者人口は0.2割程度しか増加せず、生産者人口の減少は0.2割以下なのです。
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◆「少子高齢化論」も杉並区自身が否定している・・・!
杉並区自身が『超少子高齢化は杉並区では起こらない』としているのです。基本構想にも使われる人口推計を隠し、区の実態を反映していない他の機関が作った「超少子高齢化グラフ」を後付で使うというのは、区民に対してあまりにも不誠実ではないでしょうか。
区はこの二つの破綻した論拠以外に認可保育園不足や特別養護老人ホーム不足をあげて「区民ニーズの変化」と言います。しかし、どちらの施設も何年も前から党区議団が増設を議会でうったえてきました。逆に福祉施設に税金をかけまいと増設してこなかったのは杉並区自身です。決して「新たなニーズ」でも「ニーズの変化」でもないのです。
結局は550億円の税金の溜め込みのため、駅周辺再開発などゼネコン向け施策推進のために、施設削減を進めたいだけではないでしょうか。計画の白紙撤回に向けて今後も全力で取り組んでまいります。
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【内容】 予算特別委員会で施設再編白紙撤回を要求!区民を欺く論拠に道理なし! ・ 「少子高齢化論」も杉並区自身が否定している・・・! ・ 堀ノ内3丁目10番地24号付近の砕けたL字側溝の補修完了!!
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