以前からこのブログでお知らせしていた、杉並区立小中学校・芝生養生シートの放射能汚染問題についてですが、学校敷地内で保管されていた全ての汚染シートが区役所地下3階に移動されたことがわかりました。
◆21校中8校で高濃度汚染
昨年11月、堀ノ内小学校での発見をかわきりに、高濃度に汚染された養生シートは、校庭が芝生となっている21校のうち、8校に上りました。新聞などでも報道された堀ノ内小学校の汚染シートについては、すぐに別の区の施設へ移動され、今年2月には区役所地下3階の特注保管庫に保管されていました。しかし、残りの7校については学校敷地内での保管が3月まで続いていました。
↑ シート中心1㎝で1.0μSv/hを超えていたのは21校のうち8校
○区立小・中学校等の芝生養生シートの空間放射線量の測定結果(区ホームページより)⇒ http://www2.city.suginami.tokyo.jp/news/detail/11680/kuukan_sokuteikekka_sheet_h231104_4.pdf
杉並区危機管理室は児童生徒が簡単に近づけないよう土嚢をのせるなど対処していると言っていましたが、24時間管理の人間が貼りつくわけでもなく、子どもたちが絶対近づかない保証はありません。なので、私たち日本共産党杉並区議団は、早急に学校敷地外へ移動させることを要求しておりました。
この7校の汚染シートが3月28日に区役所地下三階の特注保管庫に移動させたことが、4月9日の区役所危機管理対策室へのヒアリングでわかりました。
しかし、発見から約5カ月、福島第一原発の事故が発生してから数えると1年以上もの間、高濃度に汚染された芝生養生シートが子どもたちの生活の場に存在していたことは大問題と言わざるをえません。
◆高濃度汚染の芝生養生シートの処理について
汚染シートを子どもたちの生活圏内から遠ざけることに加え、杉並区に要求していたことは今年1月に施行された「放射性物質汚染対処特措法」を使って汚染シートを国が定める指定廃棄物に申請し、国の責任で汚染シートを処理させることです。
3月の議会で早急に申請することを求めていましたが、今回のヒアリングで、3月21日に環境省へ申請したことが判明しました。
当初、国からは「他の廃棄物と混ぜれば放射性物質の濃度が薄まるから埋め立てできる」とのコメントもあり、国も何を考えているんだと憤慨しておりました、しっかりと国の責任で対応させる方向に向かっているので一安心です。
◆議会で「区内の放射能汚染は殆ど原発事故前に戻った」との驚きの答弁
しかし、対応が少し進んだとは言え、区の放射能汚染に対する姿勢には問題が残されています。
杉並区は未だに「区内の放射能汚染は健康に影響が有るほどひどくない」との姿勢を崩していないのです。また、3月の議会で私が行った放射能汚染対策に対する質疑のなかで、区幹部職員からは「区内の放射能汚染状況は、おおむね原発事故前に戻った」との驚きの答弁も出ています。こういった、放射能汚染の状況を軽く見せようとする区の姿勢には言葉も出ませんでした。
食物への放射能汚染も深刻な状況の中、乳幼児や小中学校に通う子どもたちの健康を気遣う保護者の方が聞いたらどう思うでしょうか。
私たちはこの間、放射能汚染で子どもの健康被害が発生するリスクを少しでも減らすよう杉並区に求めてまいりましたが、杉並区は「健康被害を無くすため」ではなく「放射能に対する不安を無くすため」に放射能対策を行うと言って、子どもたちへのリスクに目を向けようとしていません。
引き続き、汚染対策の強化、杉並区の放射能汚染への姿勢の転換を求めていきます。